Epistula ad mē

美というものは、芸術と人間の霊魂の問題である

Music

ドビュッシー『ペレアスとメリザンド(Pelléas et Mélisande)』1902

本日新国立劇場まで出掛けて鑑賞。クロード・ドビュッシーが完成させた唯一のオペラ。台本はメーテルランクの同名戯曲殆どそのまま。明確に異なるのは、私が確認した限り、メリザンドが窓辺に坐り、髪を櫛りながらうたう歌くらい(出典は何だろう?)。 ledilet…

ベートーヴェン『ピアノ協奏曲第3番ハ短調』

www.youtube.com ベートーヴァンのピアノ協奏曲を3曲通して聴いた。 第1番: 古典的ながらもベートーヴェンらしい雄大さを感じる。第2番. 全体を通して明朗快活、第1番よりも古典的だと誰もが思う。そのはずで、書かれたのはこちらが先だ。第3番: ドミソファ…

フランス民謡『フレール・ジャック(Frère Jacques)』

www.youtube.com 輪唱形式で歌われるフランスに起源を持つ童謡。トムとジェリーでニブルスが歌っていた曲! 寝坊した修道士(Frère)が謡われている。 Frère Jacques, Frère Jacques,修道士ジャック、Dormez-vous? Dormez-vous?お眠りですか?Sonnez les matines…

マーラー『交響曲第6番 イ短調』1904

www.youtube.com 短調にはじまり短調に綴じられる古典的な構成。「悲劇的」という副題で知られるが、第3楽章まではむしろ溌剌とした英雄の印象を受ける、cheerfulとでも名付けたい程に。しかし第4楽章における音楽の沈み方は、ベートーヴェンが生み出してブ…

サン=サーンス『序奏とロンド・カプリチオーソ(Introduction et Rondo capriccioso)』

www.youtube.com サン=サーンス作曲、サラサーテに献呈。 ルイ・マルの『さよなら子供たち(Au revoir les enfants)』の中に、みんなで『チャップリンの移民(The immigrant)』を観るシーンがある。その際にギリシア語教師が演奏していた。 ハイフェッツの演奏…

ワーグナー『交響曲 ハ長調』

www.youtube.com ワーグナーが唯一完成させた交響曲。雄大な曲だ。 構成の造形美、一部のパートが先行しない均衡のオーケストレーション。作曲家の名を伏せて聴けば、ベートーヴェンが第一の候補に挙がることは疑いようがない。『エロイカ』を彷彿とさせる。…

ドヴォルザーク『オセロ(Othello)』op.93

www.youtube.com 『オセロ(Othello)』は、ドヴォルザークの演奏会用序曲『自然と人生と愛』のうち、「愛」に相当する楽曲である。 愛を代表しているからには、甘美でのんびりとした調べを想像するものであるが、そうではない。一種の憂いを帯びた、暗く情熱…

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズについて

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams)をご存じであろうか。メリット勲章叙勲者。国民主義的な作風を特徴とする英国の作曲家である。日本での演奏機会は少ないが、生涯に9つの交響曲を遺した大作曲家であり、祖国イングランドではBBC pro…

ラヴェル『マ・メール・ロワ(Ma Mère l'Oye)』

oye(=oie)...ガチョウ要するに"Mother Goose"のこと。ラヴェルが英国の童話集『マザーグース』を題材に作曲した組曲。その管弦楽版。木管楽器の多彩な音が、いかにもラヴェル。若き日のチェリビダッケの指揮でお愉しみ下さい。 www.youtube.com

「昔、アイゼナハの宮廷に(Il était une fois à la cour d’Eisenach)」『ホフマン物語(Les Contes d'Hoffmann)』より

www.youtube.com 貴重なフランスオペラの一作、『ホフマン物語(Les Contes d'Hoffmann)』。第一幕のアリア「昔、アイゼナハの宮廷に(Il était une fois à la cour d’Eisenach)」。ちなみに歌詞にあるアイゼナハとは独逸中央部の都市で、J.S.バッハの生まれた…

ベートーヴェン『弦楽四重奏曲第14番、第15番』

www.youtube.com www.youtube.com ベートーヴェンの後期のカルテットを聴きたくなった。何故ベートーヴェンは偉大か?第九を書き上げた後にも、文字通り「創作」を続けたからである。 第14番は嬰ハ短調で7つの楽章、第15番はイ短調で5つの楽章により成立つ。…

カトリック聖歌集24番『主よわたしの神よ』

主よ私の神よ心を尽くして感謝をささげ永久にあなたの名を讃える 神よ耳を傾けて私にこたえてください私は弱く貧しいあなたを畏れる私の命を守ってくださいあなたは私の神、寄り恃む僕を救ってください 主よ私の神よ心を尽くして感謝をささげ永久にあなたの…

シェーンべルク『浄められた夜(Verklärte Nacht)』1899

www.youtube.com 無調性の音楽を創り出したアルノルト・シェーンベルク(Arnold Schönberg)の作品。しかし本作はドイツの詩人リヒャルト・デーメルの詩に音楽を付けた「標題音楽」であって、後期ロマン派の音楽そのもの。 月の明るい夜。雲はない。雄大な海、…

【対訳】グノー『ファウスト』第1幕第1場

No.1 シーンとコーラスFAUSTRien!何もないEn vain j'interoge, en mon ardente veille, 私は無駄に問いかける、烈しい夜を通して La nature et le Créateur;自然と創造主について Pas une voix ne glisse à mon oreille,だが声ひとつ、私の耳には届かない Un…

弾きたいヴァイオリン・ソロ曲

www.youtube.com フォーレ 夢のあとで www.youtube.com ドビュッシー 亜麻色の髪の乙女 www.youtube.com フォーレ ゆりかご高音が厳しそう。あまり綺麗じゃない。 www.youtube.com フォーレ シシリエンヌ ブラームス op. 120-2ヴィオラ曲だけれど、ヴァイオ…

ブリテン『キャロルの祭典』より「入祭唱(Procession)」

www.youtube.com 『キャロルの祭典』のはじめを飾る入祭唱。ハープの音色が美しい。 グレゴリオ聖歌"Hodie Christus natus est" のメロディーと殆ど同じ。 やはり宗教曲のソプラノは少年合唱団に任せるに限る。例えそれが不安定なものであっても。 Hodie Chr…

『トスカ』第2幕 1964年 コヴェントガーデンでの録音

Maria Callas and Tito Gobbi at Covent Garden, 9.02.1964-Tosca, prod Franco Zeffirelli, atto II. トスカをマリア・カラスが、スカルピアをティート・ゴッビが演じた、文化遺産に相応しい映像。

エルガー『チェロ協奏曲ホ短調』op.85

Elgar Cello Concerto Pierre Fournier Berlin Philharmonic Alfred Wallenstein (1966/2017) エドワード・エルガーが1918年に作曲したもの。悲劇的で胸を裂かれるような主題に惹かれる。紹介するのは私が気に入っているピエール・フルニエの録音。デュ・プ…

シューベルト『野薔薇』D257

云わずと知れたシューベルトのリート。日本では近藤朔風の訳詩が有名。また『細雪』の下巻では、大垣から蒲郡へ向かう列車の中で、陸軍士官の唄うのにつれて、みながこの曲を合唱するシーンが描かれている。 童は見たり 野中の薔薇 きよらに咲ける その色愛…

バッハ『パルティータ第2番ニ短調』BMV1004よりシャコンヌ

Heifetz - Bach Chaconne - Violin Solo ヤッシャ・ハイフェッツ(Yasha Heifetz)よりも優れたヴァイオリニストというのは、ありえないのではないだろうか。D-minorからD-majorへの転調。太陽の輝き。

フォーレ『夢のあとで(Après un rêve)』op.7-1

Fauré: Après un rêve, Op. 7, No. 1 (Arr. Viola & Piano) 『3つの歌』op.7の第1曲。フォーレの歌曲中最も有名なのではないか。 歌曲としてのみならずチェロの独奏版としても有名。だが私はヴィオラの独奏をおすすめしたい。 3 Songs, Op. 7: No. 1, Après …

ベルリオーズ『叙情的情景:クレオパトラの死(La mort de Cléopâtre)』H.36

La mort de Cléopâtre H.Berlioz soprano:Véronique Gens Conductor:Jakub Hrůša エクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz)作曲のカンタータ。ちなみにH番号というのは、アメリカの音楽学者カーン・ホロマン(Kern Holoman)が付けたベルリオーズ作品の目録番号…

フォーレ『バラード嬰ヘ長調』op.19

Gabriel Fauré - Ballade Op. 19 (1881) 好きなフランス人作曲家を挙げるならフォーレだろう。でも僕は彼の何に惹かれているのだろう。彼は古典的な形式に拘った訳ではないし、当時の流行に肖っている訳でもない。野心的な香りのしないことが、聴きやすくて…

シューベルト『ピアノソナタ第16番イ短調』op.42 D.845

W. Kempff plays Schubert Sonata in A minor, D.845 高い演奏効果がある訳ではないのだが、個人的に好きなシューベルトのピアノソナタ。ヴィルヘルム・ケンプ(Wilhelm Kempff)の録音。繊細で正確で癖がなく聴きやすい。ドイツ古典派、ロマン派演奏の大家で…

『わが慕いし星(Bel Astre que j'adore)』

Noël ancien - Bel Astre que j'adore 季節外れであるが今日はキャロルを紹介する。ユスターシュ・デュ・コロワ(Eustache du Caurroy)作曲の聖歌。直訳は「私が愛する綺麗な星」であるが、『わが慕いし星』は名訳だと思う。デュ・コロワは後期ルネサンス時代…

ショパン『ノクターン第19番ホ短調(op.72-1)』

Chopin: Nocturne No.19 In E Minor, Op.72 No.1 ショパンのノクターンはすべてで21作品ある。そのうち19番は一番初めに書かれた「ノクターン」であり、作曲されたのは1827年、ショパンが弱冠17歳の時であった。彼の死後、友人の手によって発表された。 何故…

2020.12.31日記

琵琶湖歌劇場にジルヴェスターコンサートを観に行った。 レペトワは以下の通り。 ・チャイコフスキー 『エフゲニー・オネーギン』からポロネーズ ヴァイオリン協奏曲ニ長調 バレエ組曲「くるみ割り人形」・ビゼー 『カルメン』からハバネラ含む3曲・ベッリー…

フランシス・レイ『今日は君が(Aujourd'hui, c'est toi)』

~ AUJOURD`HUI C`EST TOI ~ Francis Lai 映画『男と女(un homme et une femme)』の挿入歌。フランシス・レイ(Franis Lai)の作曲。彼はルルーシュと組んで多くの映画音楽を遺した。軽快で洗練されたパリを想像させるメロディーが特徴。 Toi et moi,君と僕、 n…

ラヴェル『ハイドンの名によるメヌエット』

www.youtube.com モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel)が1909年に作曲したピアノのためのメヌエット。ハイドン没後100年に寄せられた2分足らずの小品。曲の冒頭にある「シラレレソ」の音が「ハイドン」を意味している。規則性の説明は面倒くさいからwikipedia…

シューベルト『アルペジョーネソナタ イ短調』D.821

www.youtube.com 1824年の作品。「アルペジョーネ」って何だと思われるだろうが、ある弦楽器の呼称である。弦が6本あり、音域が広い。19世紀初めに発明されたが、広まることはなかった。故にこのソナタの演奏に際しては、ヴィオラかチェロが代用される。