Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

『Hark! The Herald Angels Sing(あめにはさかえ)』カトリック聖歌集652番

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本日の主の降誕ミサの入祭唱。私にとってクリスマスキャロルと云えば、この『あめにはさかえ』か『よのひとわするな(God Rest You Merry, Gentlemen)』になる。対譯は原詩に忠実なものにした。カトリック聖歌集のものと異なるため注意されたい。

 

1 Hark! the herald angels sing,
聞け、御使たちの歌

"Glory to the newborn King:
「生まれ給ひし主に栄光、

peace on earth, and mercy mild,
地には平和と憐憫(あはれみ)、

God and sinners reconciled!"
神と罪人は和解せり」

Joyful, all ye nations, rise,
悦びに、諸人よ立ち、

join the triumph of the skies;
天の勝利にいさ加はらむ

with th'angelic hosts proclaim,
主の御使斯く告げ給ふ

"Christ is born in Bethlehem!"
「救主、ベツレヘムにて生まれ給へり」
Hark! the herald angels sing,
聞け、御使たちの歌

"Glory to the newborn King"
「生まれ給ひし主に栄光」

 

動画はロンドンのセント・ポール大聖堂のものだと記憶している。何とも美しく、視聴によって、しみじみと主の降誕の悦びに浸ることができる。
日本で美しい聖歌を聴くことは、もはや難しい。尤も聖歌は祭儀を芸術的なものにするための飾りではないのだから、美しくある必要はない。
だが私は寂しいのだ。髙田三郎氏の生涯を懸けたミサ曲をおざなりにし、あのように低劣な旋律を用いるのは。
京都の河原町教会でウィリアム・バードによる四声のミサ曲を聴いた時の感動を兄弟と頒つことは叶わぬのか。