Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

20220130日記

東京文化会館に『イル・トロヴァトーレ』を観に出掛けた。藤原歌劇団による公演。お世辞にも「良かった」とは云えぬ。

『刑事フォイル レーダー基地(Eagle day)』S01E04

"Eagle day"とは何かと思い調べてみたら、ナチスの軍事作戦のコードネームだそう。独逸語で"Adlertag"、英国空軍基地(Royal Air Force)を空爆する作戦のこと。邦題の「レーダー基地」は腑に落ちない。もっと他に名付けようがあったように思える。 サスペンス…

『刑事フォイル 兵役拒否(A Lesson in Murder)』SE01EP03

因果関係の難しいエピソードであった。そもそも見落としが多い。手がかりが見えぬことに動揺し、基礎をも忘れてしまった為、成す術が無かった。悔しくて今夜は眠れない。 "Eliminate the impossible and whatever remains however improbable must be the tr…

『刑事フォイル 臆病者(The White Feather)』S01E02

ファシズム団体の会合が開かれているホテルで、ホテルオーナー夫人が銃殺された。夫人はファシズムに傾倒していた。宿泊者リストにはユダヤ人。外には怪しい人影。 本ケースは、視聴者にフォイルよりも多くのヒント(しかも決定的な)が与えられていたから、割…

『刑事フォイル ドイツ人の女(The German Woman)』S01E01

She was only a German woman. 出版社の女性から、『刑事フォイル(Foyle's war)』なる英国のドラマを勧められたのであるが、これが中々面白い。名前の通り推理物。1940年戦禍の英国が舞台、話には戦争が大きく絡む。まだシーズン1の1話しかみていないが、殺…

モリエール『人間嫌い; あるいは怒りっぽい恋人(Le Misanthrope ou l'Atrabilaire amoureux)』1666

主人公のアルセストは愚直、潔癖な青年貴族。この世間知らずは恋に破れ、厭世を募らせた挙句、ついには俗世間との関わりを絶たんとする。「アルセスト風の」という形容詞を生んだ名作。潔癖な人間は生きるのが難しい。私もアルセストであるから、よく分る。 …

ベートーヴェン『弦楽四重奏曲第14番、第15番』

www.youtube.com www.youtube.com ベートーヴェンの後期カルテットを聴きたくなった。ベートーヴェンの偉大さの所以、それは彼が第九を書上げた後にも「創作」を続けた所にある。第14番は嬰ハ短調で7つの楽章、第15番はイ短調で5つの楽章。それぞれ1826年、1…

谷崎潤一郎『少将滋幹の母』1950

うつつにて誰ちぎりけむ定めなき夢路にまよふ我は我かは 若妻を奪われた老翁と、母を奪われた子の話。古典からの引用と、谷崎の創作とが巧に織り交ぜられ、ひとりの美くしき女性を巡る艶めかしい物語に仕上っている。谷崎の深い学識に感嘆させられる。 ラン…

ブレット・ラトナー『天使のくれた時間(The family man)』2000

ニコラス・ケイジ主演。『素晴らしき哉、人生』をモチーフに制作された、クリスマスの家族物語。

20220104日記

www.youtube.com シューマンの交響曲第4番を聴いている。 祖父と会った。最早まともな意思疎通は不可能であるから、今まで何度となく繰返された、話の筋に相互理解のある想い出話をして過ごす。それでも祖父は、私と会話をすることが実に楽しそうで、幸福そ…

ドゥミ『都会の一部屋(Une chambre en ville)』1982

2022年映画初め。ジャック・ドゥミ監督作。ヒロインは『家族の肖像』『1900年』に出演しているドミニク・サンダ。『ロシュフォールの恋人たち』に引続きダニエル・ダリュー、ミシェル・ピコリ(変態役)が出演。ドゥミは部屋の装飾や登場人物の服飾に、色鮮や…