Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

遠藤周作『沈黙』1966

キリスト禁制が敷かれていた日本に潜入したポルトガル人司祭の受難を描いた作品である。その名をロドリゴというが、彼は日本人信徒を襲う残忍な拷問とそれに伴う彼らの「殉教」をみる。殉教といえば祝福のうち天に召される幸福であるが、彼の目にはそれが「…

ソビエト民謡『タリャーノチカ(тальяночка)』

www.youtube.com ソビエトロシアの民謡。作曲されたのは第二次大戦時、歌詞の背景にも戦争がある。 曲名の「タリャーノチカ」とはアコーディオンのような楽器のこと。指小辞(diminitive)となっているので、「小さなアコーディオン」と云う意味合いか。ロシア…

霞が関に於ける「官庁集中計画」について

諸國の外務省は、屡々その所在地名で呼ばれる。英国の「ホワイトホール」、フランスの「ケ・ドルセー」、ドイツの「ヴィルヘルム・シュトラーセ」といった具合に、日本の場合は「カスミガセキ」である。 日本の行政を司る機関が集積する霞が関であるが、これ…

讃美歌21 454番「愛する神にのみ」

久しぶりの更新となる。授業が始まると忙しくていけない。 紹介するのはGeorge Neumark(1621-1681)の "Wer nur den lieben Gott läßt walten"。ノイマルクはドイツ中央部ランゲルザルツァの出身、詩人であり讃美歌の作曲家であった。本作品が書かれたのは164…