Mon Cœur Mis à Nu

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

Music

マーラー『交響曲第6番 イ短調』1904

www.youtube.com 短調にはじまり短調に綴じられる古典的な構成。「悲劇的」という副題で知られるが、第3楽章まではむしろ溌剌とした英雄の印象を受ける、cheerfulとでも名付けたい程に。しかし第4楽章における音楽の沈み方は、ベートーヴェンが生み出してブ…

サン=サーンス『序奏とロンド・カプリチオーソ(Introduction et Rondo capriccioso)』1863

www.youtube.com サン=サーンス作曲、サラサーテに献呈。ルイ・マルの『さよなら子供たち(Au revoir les enfants)』の中に、『チャップリンの移民(The immigrant)』を観賞する場面がある。映画はサイレントであるから、背景音楽として、ギリシア語教師がこの…

ワーグナー『交響曲ハ長調』1832

www.youtube.com ワーグナーが唯一完成させた交響曲。私はこの曲を面白いと思う。溌剌としていて色彩豊か。ドラマティック。深みがないとも云える。だがもっと演奏機会があって良いと思う。 ランキング参加中音楽

ドヴォルザーク『オセロ(Othello)』op.93 1892

www.youtube.com 『オセロ(Othello)』は、ドヴォルザークの演奏会用序曲『自然と人生と愛』のうち、「愛」に相当する楽曲である。 愛を代表しているからには、甘美でのんびりとした調べを想像するものであるが、そうではない。一種の憂いを帯びた、暗く情熱…

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズについて

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams)。メリット勲章叙勲者。国民主義的な作風を特徴とする英国の作曲家である。日本での演奏機会は少ないが、生涯に9つの交響曲を遺した大作曲家であり、祖国イングランドではBBC promsで取上げられる程…

ラヴェル『マ・メール・ロワ(Ma Mère l'Oye)』

oye(=oie)...ガチョウ要するに"Mother Goose"のこと。ラヴェルが英国の童話集『マザーグース』を題材に作曲した組曲。その管弦楽版。木管楽器の多彩な音が、いかにもラヴェル。若き日のチェリビダッケの指揮。 www.youtube.com ランキング参加中音楽

20220211日記

都響の演奏会に六本木まで出かけた。以下演目。 チャイコフスキー:『エフゲニー・オネーギン』の「ポロネーズ」グラズノフ: ヴァイオリン協奏曲 イ短調チャイコフスキー: 交響曲第4番 ヘ短調 ランキング参加中音楽

オッフェンバック「昔、アイゼナハの宮廷に(Il était une fois à la cour d’Eisenach)」『ホフマン物語(Les Contes d'Hoffmann)』より

www.youtube.com 貴重なフランスオペラの一作、『ホフマン物語(Les Contes d'Hoffmann)』。第一幕のアリア「昔、アイゼナハの宮廷に(Il était une fois à la cour d’Eisenach)」。アイゼナハとは独逸中央部の都市で、J.S.バッハの生まれた土地。 HOFFMANNIl …

ベートーヴェン『弦楽四重奏曲第14番、第15番』

www.youtube.com www.youtube.com ベートーヴェンの後期カルテットを聴きたくなった。ベートーヴェンの偉大さの所以、それは彼が第九を書上げた後にも「創作」を続けた所にある。第14番は嬰ハ短調で7つの楽章、第15番はイ短調で5つの楽章。それぞれ1826年、1…

シェーンべルク『浄められた夜(Verklärte Nacht)』1899

www.youtube.com 無調性の音楽を創り出したアルノルト・シェーンベルク(Arnold Schönberg)の作品。しかし本作はドイツの詩人リヒャルト・デーメルの詩に音楽を付けた「標題音楽」であって、後期ロマン派に属するもの。 さやけき月夜。雲はない。雄大な海、深…

【対訳】グノー『ファウスト』第1幕第1場

No.1 シーンとコーラスFAUSTRien!何もないEn vain j'interoge, en mon ardente veille, 私は無駄に問いかける、烈しい夜を通して La nature et le Créateur;自然と創造主について Pas une voix ne glisse à mon oreille,だが声ひとつ、私の耳には届かない Un…

ブリテン「入祭唱(Procession)」『キャロルの祭典』

www.youtube.com 『キャロルの祭典』の入祭唱。グレゴリオ聖歌"Hodie Christus natus est" と旋律を共有。宗教曲のソプラノは少年合唱団に任せるに限る、それが不安定であろうと。 Hodie Christus natus est:今日、キリストがうまれた hodie Salvator apparu…

『トスカ』第2幕 1964年 コヴェントガーデン

Maria Callas and Tito Gobbi at Covent Garden, 9.02.1964-Tosca, prod Franco Zeffirelli, atto II. マリア・カラスとティート・ゴッビ。文化遺産。

エルガー『チェロ協奏曲ホ短調』op.85

Elgar Cello Concerto Pierre Fournier Berlin Philharmonic Alfred Wallenstein (1966/2017) エドワード・エルガーが1918年に作曲したもの。悲劇的で胸を裂かれるような主題に惹かれる。紹介するのは私が気に入っているピエール・フルニエの録音。デュ・プ…

シューベルト『野薔薇』D257

云わずと知れたシューベルトのリート。日本では近藤朔風の訳詩が有名。また『細雪』の下巻では、大垣から蒲郡へ向かう列車の中で、陸軍士官の唄うのにつれて、みながこの曲を合唱するシーンが描かれている。 童は見たり 野中の薔薇きよらに咲ける その色愛で…

バッハ『パルティータ第2番ニ短調』BMV1004よりシャコンヌ

ヤッシャ・ハイフェッツ(Yasha Heifetz)よりも優れたヴァイオリニストというのは、ありえないのではないだろうか。D-minorからD-majorへの転調。太陽の輝き。

フォーレ『夢のあとで(Après un rêve)』op.7-1

Fauré: Après un rêve, Op. 7, No. 1 (Arr. Viola & Piano) 『3つの歌』op.7の第1曲。フォーレの歌曲中最も有名なのではないか。歌曲としてのみならずチェロの独奏版としても有名。だが私はヴィオラの独奏をおすすめしたい。 3 Songs, Op. 7: No. 1, Après u…

ベルリオーズ『叙情的情景:クレオパトラの死(La mort de Cléopâtre)』H.36

La mort de Cléopâtre H.Berlioz soprano:Véronique Gens Conductor:Jakub Hrůša エクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz)作曲のカンタータ。ちなみにH番号というのは、アメリカの音楽学者カーン・ホロマン(Kern Holoman)が付けたベルリオーズ作品の目録番号…

ベートーヴェン『ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調』op.97

Beethoven Trio for Piano,Violin and Cello No.7 in B Major,Op.97,Archduke(Casals,Thibaud,Cortot 1928) 1811年に作曲されたピアノ三重奏曲。オーストリア大公ルドルフに献呈されたために『大公』と通称される。作家の星新一が愛した曲だという。

シューベルト『ピアノソナタ第16番イ短調』op.42 D.845

W. Kempff plays Schubert Sonata in A minor, D.845 高い演奏効果がある訳ではないのだが、好きなシューベルトのピアノソナタ。ヴィルヘルム・ケンプ(Wilhelm Kempff)の録音。繊細で正確で癖がなく聴きやすい。ドイツ古典派、ロマン派演奏の大家である彼は…

『わが慕いし星(Bel Astre que j'adore)』

Noël ancien - Bel Astre que j'adore 季節外れであるが今日はキャロルを紹介する。ユスターシュ・デュ・コロワ(Eustache du Caurroy)作曲の聖歌。直訳は「私が愛する綺麗な星」であるが、『わが慕いし星』は名訳だと思う。デュ・コロワは後期ルネサンス時代…

ショパン『ノクターン第19番ホ短調(op.72-1)』

Chopin: Nocturne No.19 In E Minor, Op.72 No.1 ショパンのノクターンはすべてで21作品ある。そのうち19番は一番初めに書かれた「ノクターン」であり、作曲されたのは1827年、ショパンが弱冠17歳の時であった。彼の死後、友人の手によって発表された。何故1…

フランシス・レイ『今日は君が(Aujourd'hui, c'est toi)』

~ AUJOURD`HUI C`EST TOI ~ Francis Lai 映画『男と女(un homme et une femme)』の挿入歌。フランシス・レイ(Franis Lai)の作曲。彼はルルーシュと組んで多くの映画音楽を遺した。洒脱な都会的メロディー。 Toi et moi,君と僕、 nous vivons dans la ville.…

ラヴェル『ハイドンの名によるメヌエット』1909

www.youtube.comモーリス・ラヴェル(Maurice Ravel)が1909年に作曲したピアノのためのメヌエット。ハイドン没後100年に寄せられた2分足らずの小品。曲の冒頭にある「シラレレソ」の音が「ハイドン」を意味している。

シューベルト『アルペジョーネソナタ イ短調 D.821』1824

www.youtube.com 「アルペジョーネ」って何だと思われるだろうが、ある弦楽器の呼称である。弦が6本あり、音域が広い。19世紀初めに発明されたが、広まることはなかった。故にこのソナタの演奏に際しては、ヴィオラかチェロが代用される。

ブラームス『ヴィオラ・ソナタop.120-2』1894

www.youtube.com 創作意欲も衰えがちであった61歳のブラームスの作品。彼が書いた最後のソナタでもある。第二楽章アレグロ・アパッショナートが良い。もともとクラリネットのために書かれたが、彼自身の手でヴィオラ及びヴァイオリン用に編曲された。ある意…

リヒャルト・シュトラウス『交響詩ドン・キホーテop.35』

www.youtube.com R.シュトラウスが書いた7つ交響詩のうちの6作目、1897年の作品。チェロが独奏で表現するドン・キホーテの悲痛な最後が良い。

リヒャルト・シュトラウス『ピアノソナタ ロ短調op.5』

www.youtube.com 『英雄の生涯』のCDを手にしたことから、R.シュトラウスを掘り下げたいと思って、この頃は色々聴いている。今日紹介するのはシュトラウスが17歳の時に作曲したピアノソナタ。ベートーベンの交響曲5番のモチーフ(タタタターン)が散りばめられ…

シューマン『交響曲第4番ニ短調op.120』1841

www.youtube.com 1841年のクララの誕生日。ロベルトが妻に捧げた交響曲。力強く舞踏的な第3楽章が好み。

ウェーバー『ピアノソナタ第4番ホ短調』

www.youtube.com カール・マリア・フォン・ウェーバー(Carl Maria Friedrich Ernst von Weber)は『魔弾の射手』しか知らない私に、フランス語の先生がおすすめしてくれた。貸してもらったのはディノ・チアーニ(Dino Ciani)の録音。ウェーバーが最後に遺した4…