Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

20210924日記

この世の美くしいものは、もう宗教の世界にしか残っていない。だから私は執拗にカトリックを求めるのだ。 カトリックが美を抛棄したら、そのときは、

ルノワール『フレンチ・カンカン(French cancan)』1954

ジャン・ルノワール監督作。フランソワーズ・アルヌール(Françoise Arnoul)主演、美人だ。彼女は今年の夏に亡くなった。フレンチ・カンカンとムーラン・ルージュの誕生を描く華やかな(騒がしい)映画。「良い話」で終わらせない所がルノワール。それに最後の…

ユゴー『九十三年(Quatrevingt-Treize)』1873

榊原晃三譯, 潮出版社, 1969年。大革命当時の「ヴァンデの反乱」(1793)を主題として、人間愛に基いた革命精神を謳いあげた大河小説、というより歴史の教科書。大革命当時の風俗やら、風潮やらを知るのには良い。物語終盤、人道主義に駆られたゴーヴァンの内…

シェーンべルク『浄められた夜(Verklärte Nacht)』1899

www.youtube.com 無調性の音楽を創り出したアルノルト・シェーンベルク(Arnold Schönberg)の作品。しかし本作はドイツの詩人リヒャルト・デーメルの詩に音楽を付けた「標題音楽」であって、後期ロマン派に属するもの。 さやけき月夜。雲はない。雄大な海、深…

トッド・フィリップス『ジョーカー(Joker)』2019

トッド・フィリップス(Todd Phillips)監督作。ヴェネチアの金獅子賞。歪んだ社会に於ける悲劇。負け犬に優しい主題だから受けたのだろう。面白かったが、こういう類の悪は美しくない。