Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

モーリス・クロシュ『聖バンサン(Monsieur Vincent)』1947

本日は聖ビンセンチオ・ア・パウロ司祭の記念日。ミサには行けなかったが、1947年のフランス映画『聖バンサン』を観て、彼に思いを致すことにした。 モーリス・クロシュ監督作。クロード・ルノワール撮影。幾つか映画賞を受賞した古典的作品であり、1995年ヨ…

ラモー「未開人(Les sauvages)」或いは「平和な森(Forêts paisibles)」『優雅なインドの国々(Les Indes galantes)』1736 より

www.youtube.com ラモー作曲、オペラ=バレ『優雅なインドの国々』から。第4幕第6場のロンド。ルイ王朝時代の音楽。ラモーにリュリ、フランス王国が誇る二大作曲家。 ledilettante.hatenablog.com 【対譯】Forêts paisibles,平和な森よ、Jamais un vain désir…

コナン・ドイル『ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia)』1891

シャーロック・ホームズシリーズの映像化作品は数多ある。しかし、ジェレミー・ブレットを起用した英国グラナダテレビジョン制作のドラマシリーズは特別である。これほど満足に為された映像化作品は他にない。描写される風景、人物の風貌、台詞の細部に至る…

ゴダール『カルメンという名の女(Prénom Carmen)』1983

ジャン=リュック・ゴダールが死んだ。まだ生きていたことに愕いた。あとヌーヴェルバーグで存命なのはクロード・ルルーシュくらい? 私は一時期フランス映画に凝っていた。だからゴダールの作品は少なからず観た。否、「フランス映画好き」を名乗る為に、観ざ…

リラダン『新世界(Le Nouveau Monde)』1880

ヴィリエ・ド・リラダンによる五幕、散文の戯曲。1875年アメリカ獨立記念を祝して催された脚本コンクールへの応募作品。賞金1萬フラン!応募作品約100篇の中から、ヴィリエの『新世界』が最優秀作として択ばれた。 「綱領」の存するコンクールに提出されただ…

リラダン『奇談集(Histoires insolites)』1888

作者の死の前年に刊行、ニ十篇を纏めた小品集。その前半はエドガー・アラン・ポーを彷彿とさせる奇譚が(そもそも本題からしてポーのHistoires extraordinairesに案を得たものとする考察もある)、後半はカトリックのモチーフ、例えば施し、戦闘的カトリック、…

ドビュッシー『フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ(Sonate pour flûte, alto et harpe)』1915

www.youtube.com ドビュッシーによる三楽章から成るソナタ。フルート、ヴィオラそしてハープの三者の組合せは他では知らぬ。特に第二楽章、ヴィオラが良い味を出している。この曲は彼の死の3年前に書かれた。病に臥す日々の中で作曲されたからだろうか。その…

20220903日記

銀座まででかけて、ジャケットを新調。生地は伊太利製の黒無地。ダブルブレステッド、黒水牛の6つ釦3つ掛(ここが重要)。ピークドラペルに、サイドベンツ。型紙から作成して頂くから、納品に時間がかかるとのこと、問題ない。

モーリアック『イエスの生涯(Vie de Jésus)』1936

www.youtube.com フランソワ・モーリアック(François Mauriac)が遺したイエス伝。共観福音書(特にルカ伝福音書)と第四福音書とを豊富に引用し、彼の解釈を加えて、イエスの生涯が語られる。解釈と云えば、殊にイスカリオテのユダの心理に関する記述が独創的…

シベリウス『交響曲第4番イ短調』1911

www.youtube.com 演奏会に初台まで出掛ける。演目はエルガーのヴァイオリン協奏曲とシベリウスの交響曲第4番イ短調。 シベリウスの第4番を通して鑑賞するのは初めてのことだった。古典的形式美を誇る前半のエルガーとは好個の対照を為しており面白かった。暗…