2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧
『風景画のはじまり』と題された展覧会を観にいく。印象派の絵画は、そこから何かを得ようとするとイライラするが、何も考えず、俯瞰して絵を眺めるだけならば面白い。
「19世紀年代記(Sous-titré Chronique du xixe siècle)」(後に1830年代記と改められる)という副題を持つ心理小説。 ナポレオンを崇拝する貧しい青年ジュリアン・ソレルが、立身のために僧職を志す。上流社会に食い入るジュリアンの目を通して、その時代の偽…
おお、いかに恋愛の春の四月の日の定かならぬ輝きに似たることよ、いま陽のかがやきにあふるとみればやがて次第に雲はすべてを奪い去る。シェイクスピア『ヴェローナの二紳士』
監督はフランコ・ゼフィレッリ(Franco Zeffirelli)。ヴィスコンティ監督のもとでキャリアを築き、オペラの演出を中心に活動した人物。ハムレットを演じるのはメル・ギブソン(Mel Gibson)。狂気のハムレット。
オスカー・ワイルドの云わずと知れた戯曲。1891年の巴里滞在中にフランス語で書かれた本作の初出は1893年。フランス語原稿には、『少年十字軍』のマルセル・シュウォッブが手を入れたとか。マタイによる福音第14章、マルコによる福音第6章にある、洗礼者ヨハ…
ああ、えも云われぬ倖せ。一瞬の想い出あればこそ。誰れにも話してなるものか。
No.1 シーンとコーラスFAUSTRien!何もないEn vain j'interoge, en mon ardente veille, 私は無駄に問いかける、烈しい夜を通して La nature et le Créateur;自然と創造主について Pas une voix ne glisse à mon oreille,だが声ひとつ、私の耳には届かない Un…
そして、ありし日と同じく、私は感じた、この若い女人に於て私を魅了するものは唯々その魂の清澄のみであることを! ヴィリエの短篇集、及びそこに録された同名一短篇。死を越えてこそ実現する男女の永遠の愛。譯者は本物語を、ヴィリエ自身の初恋の告白であ…
前作の『彼方』で人工的楽園に浸っていたデュルタルが信仰の道へと「出発」する。これまでの自分自身に対する侮蔑と慚愧に懊悩する男の内心には痛ましいものがある。 霊的自然主義、緻密な細部描写が特徴的。『さかしま』や『彼方』同様、よほど変わり者でな…