Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『好奇心(Le Souffle au Coeur)』1971

ルイ・マル(Louis Malle)監督作。マザーコンプレックスの少年の思春期を描く。音楽やカメラワークにルイ・マルらしさが存分に出ているのが良い。 Scarlet fever 猩紅熱

『鬼火(Le feu follet)』1963

ルイ・マル(Louis Malle)監督作。『死刑台のエレベーター』同様モーリス・ロネ(Maurice Ronet)が主演を務める。ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞。静的な映像とエリック・サティの音楽。 孤独な男の話。劇中のジムノペディとグノシエンヌは、彼の晴れない心…

『サンタクロースの眼は青い(Le Père Noël a Les Yeux bleus)』1966

ジャン・ユスターシュ監督。フィルムは1時間に満たない短編映画。無為に生きる青年たちを淡々と描く。孤独を感じる作品。

『ぼくの小さな恋人たち(Mes Petites Amoureuses)』1974

ポスト・ヌーヴェルバーグの時代。ジャン・ユスターシュ(Jean Eustache)監督の半自伝的作品。 コレージュ(Collège:前期中等教育学校)には行かせてもらえず、メカニックの見習いとして働く少年ダニエル。退屈な毎日の中で彼の好奇心は「女性」に向かった。 vu…

『大人は判ってくれない(Les quatre cents coups)』1959

巨匠フランソワ・トリュフォー(François Truffaut)のデビュー作。ゴダールの『勝手にしやがれ』とともに「ヌーヴェル・ヴァーグ」の先駆的作品。スタジオではなくロケ撮影を持ち味とするのがヌーヴェル・ヴァーグだ。60年代前後の、実際のパリの映像が僕にと…

『さよなら子供たち(Au revoir, les enfants)』1987

ルイ・マル(Louis Malle)監督の自伝的作品。ベネチアで金獅子賞。ヴィシー・フランスのカトリックの寄宿学校を舞台に、子供の視点から「戦争」を描く。 シューベルトの『楽興の時第2番 変イ長調』が本作のテーマ曲となっている。穏やかな主題に、突発的に激…

『モンパルナスの灯(Les amants de Montparnasse)』1958

1950年代フランスを代表するジャック・ベッケル(Jacques Becker)監督作品。 彼は職人だ。あらゆるジャンルの作品をかなりの完成度で仕上げることができる。 エコール・ド・パリの画家アメデオ・モディリアーニ(Amedeo Modigliani)の人生を描いている。自分の…

『最強のふたり(Intouchables)』2011

エリック・トレダノ(Éric Toledano)とオリヴィエ・ナカシュ(Olivier Nakache)両監督作。重度の障害を持つ富豪の白人紳士と黒人ヘルパーの話。「白人と黒人の絆」を描く作品はありふれているし贔屓目で評価されるから嫌いだ。 なんて憎まれ口を叩いたが、良か…

2020.08.13 日記

地元の書店「自由書房」が閉店していた。僕の知らぬ間に。 置いてある本の品揃えで言えば、京都の丸善に匹敵していた(気がする)。 近頃の書店といえば、参考書とコミックと、しょうもない啓蒙書ばかりを並べているものだが、「自由書房」は岩波文庫だけで棚…

2020.08.13

約める 短くする、要約する徒爾(とじ) 無益であること、無駄であることけんもほろろ 冷淡に断るさま、とりつくしまもないさま係累 妻子など面倒をみなければならない一族の者マドロス 水夫、船員仮借 許すこと、見逃すこと剰え(あまつさえ) 好ましくない状態…

シューマン『マンフレッド序曲』

Schumann - Manfred - Philharmonia / Giulini ブログ更新するつもりは無かったけれど、素敵な録音に出会ってしまったので。 カルロ・マリア・ジュリーニの指揮で、シューマン『マンフレッド序曲』。ロマン派音楽の"epitome"と呼ばれるこの曲。ジュリーニの…

太宰治『ヴィヨンの妻』1947

太宰作品を一通り読んだのは7-8年前の事と記憶している。夏休みに市民図書館で。それ以来読み返すこともなかった。 ヴィヨンとは、15世紀の詩人フランソワ・ヴィヨンのこと。無頼の人生を送ったことで知られている人。生涯幾度も罪を犯し絞首刑を言い渡され…

ジャン・ドラノワ『寄宿舎 悲しみの天使(Les amities particulieres)』1964

ジャン・ドラノワ(Jean Delannoy)監督作。脚本は『禁じられた遊び(Jeux interdits)』のジャン・オーランシュ(Jean Aurenche)とピエール・ボスト(Pierre Bost)。トリュフォーが云う「良質の伝統」の体現者たちが、制作陣を固める。「同性愛」という新進的な題…

遠藤周作『影に対して』

三田文学に、遠藤周作の未発表小説が掲載されるというので、文芸雑誌をわざわざ購入した。一読してみたが、「世紀病」に冒されたロマン主義者そのものを描いているなという印象。何ら新しいことはない、19世紀初期フランス文学のオマージュ。 遠藤の母を巡る…

『17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン(Der Trafikant)』2018

また新風館の「UPLINK京都」へ行ってきた。この映画館の椅子は、相変わらず座り心地が最悪だ。マイナス50点。 観たのは"Der Trafikant=The tabacconist"。監督はニコラウス・ライトナー。舞台はナチス・ドイツに支配される1937年から1938年のウィーン。煙草…

2020.08.05 イメージノート

新古典主義 窓のアーチ

2020.08.02 クラシック音楽館

1曲目 モーツァルト 『ディヴェルティメント』変ロ長調(B dur) K.270オーボエ2, ホルン2, ファゴット2で編成される器楽曲。ディヴェルティメント(divertimento)とは、18世紀中頃に現れた、社交の場で演奏される軽妙で明るい楽曲のこと。 2曲目 ワーグナー 『…

アンドレ・ジッド『狭き門(La porte étroite)』

夏は冷房の効いた部屋で読書するに限る。それがもっとも落ち着く。 アリサ「わたしが好き…それでいて、昔のわたしのほうをなつかしがっていらっしゃるのよ........心に描いておいでの姿に」