Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

リヒャルト・シュトラウス『サロメ(Salome)』1905

新しき背広を著て、新国立劇場まで出かけ鑑賞。一幕のオペラたる本作は、オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』を台本に、リヒャルト・シュトラウスが曲をつけたもの。

 

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ヨハネの首を摑み始まるサロメの長い告白。

本日のオペラの演出の問題なのか、そもそも音楽の問題なのか判らぬが、サロメヨハネを斬首に処した事を一部後悔してゐる様子であつた。戯曲を読んで私がイメージしてゐたのは、淡々と、冷たく微笑みながら言い放つ、邪悪さの権化たるサロメであつた。この点ギャップがあり、愉しんだ。

 

しかしまあ、相変はらず日本人キャストの声はくぐもつて、管弦楽に押し負けて、低劣といふ他なかつたが(ほんたうに消えれば可い)、外国人キャストは4人とも良かつた。個人的にはヘロデの熱演が気に入つた。

 

明日は聖霊降臨祭か、Veni Sancte Spiritus.