Mon Cœur Mis à Nu

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ロン・ハワード『ヒルビリー・エレジー(Hillbilly Elegy)』2020

1月20日、第2次トランプ政権発足、副大統領はJ.D.バンス。J.D.は'James David'の頭文字であるが、法学博士(Juris Doctor)の意もある。 第2次トランプ政権の陣容が、ウォール街のビジネスマン、メディアのセレブリティで占められる中にあつて、バンスの存在は…

20250119日記

晴、大寒を控へ寒し。新国立劇場で『さまよへるオランダ人』鑑賞。開演数十分前に主役のオランダ人役が降りる事件。代役の日本人、陳腐。第一幕、彼のお陰でオーケストラを含めて総崩れ、彼の歌声はくぐもつてリズムもなく、あたかも飢へた小獣の咆哮。第二…

スピルバーグ『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(Catch Me If You Can)』2002

スティーヴン・スピルバーグ監督、ジョン・ウィリアムズによる音楽、レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクスのW主演、豪華。さして互いを知らない女とのデートで観るのに適した、feeling goodなハリウッド映画。かうした類の映画に感想を求められると困る…

トッド・フィリップス『ジョーカー(Joker)』2019

巴里帰りのフライトで視聴、何とこれ、金獅子賞である。 かうした作品が世に生み出され、ウケると云ふ現実。比較的上手く社会システムの回つてゐる日本に生きてゐると気付き難いのかも知れぬが、世の中、かほどに惨めな人らで溢れてゐるのだとしたら、その現…

20250111日記_パリにて(4) 古書肆クロード・ビュッフェ

サンシュルピス近く、19世紀仏文学専門書肆「クロード・ビュッフェ」は健在 巴里は晴、気温は氷点下。明日で長き羇旅も了はる。もう暇を持て余してゐるので、平生は機会が無い近現代美術の鑑賞に出かけた。「ブルス・ドゥ・コメルス」のピノー・コレクション…

20250109日記_パリにて(3)

サンルイ島のセーヌ河岸にて 曇、寒し。セーヌ河岸に寓居してゐる所為で、湿度が癪に障る。ブーツに黴が生えた。昨日はサン・ジェルマン・デ・プレの裏手にあるウジェーヌ・ドラクロワのアトリエに、本日郊外セーヴル(言はずと知れたセーヴル焼の生産地)にあ…

20250105日記_パリにて(2)

サン・ラザール驛近くの楽譜店にて 本日はイエズスの御名の祝日(Fête du Saint Nom de Jésus)、巴里は微雨。旅の道づれの相手に疲弊して来た所。醜い「生活」の象徴のやうな女、私は古りし都の歴史に想いを馳せ乍ら、夢うつつに逍遥してゐたいのに、彼女の存…

20250103日記_パリにて

諺に旅は道づれと申し候へ共小生にとりては旅の道づれ程堪へがたきものは無之候。 昨年末から巴里に遊んでゐる。1月の中旬までゐる予定。昨年は可成り詳細に旅の様子を記したが、今年はその気はない。書く気が興らないのに書く必要は、当然の事乍ら、無い。 …