ヴィリエ・ド・リラダンによる五幕、散文の戯曲。
1875年アメリカ獨立記念を祝して催された脚本コンクールへの応募作品。賞金1萬フラン!応募作品約100篇の中から、ヴィリエの『新世界』が最優秀作として択ばれた。
「綱領」の存するコンクールに提出されただけあり、ヴィリエの他作品には見られない率直さが特徴。ロマンティシズムに富んでいるが、そこに往々にして見られる卑俗さは共有していない。ヴィリエの高貴な魂が紡ぐ深遠なる思想が、これほど凡庸の徒にも分かり易く翻譯されたことがあったか? ヴィリエ入門書として、もっと読まれて可いと、私は思う。
まったく関係ないが、ドヴォルザークのスラブ舞曲集no.7