2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧
晴、寒気戻る。雷乃発声(かみなりすなはちこゑをはつす)、霊南坂の桜が満開を迎へたが、明日の風雨に散つて了ふだらう。久方の...と歌ふ暇すらない。尤も東京の桜に然程名残惜しさも感じない、そんなことよりプティ・ヴェールのグリル、行きつけの仏料理店に…
クロード・ルルーシュ監督作。カトリーヌ・ドヌーヴに、アヌーク・エーメも出演、後者にとつては外れ役な気がした。 恋人が殺人を犯してしまつたが為に、青春を塀の中で過ごす羽目に陥つた女。出所後の人生に希望を残すために、彼女は子供を作ることを考へた…
晴、春分を迎へ、七十二候は雀始巣(すずめはじめてすくふ)。雑司が谷は彼岸の展墓客で賑つてゐる。桃と白の二色のモクレンが見頃を迎へてゐる。 新宿のバガボンドにて、大学の知人と4年ぶりに会ひ、仕事のことや人間関係のこと、即ち無沙汰の人との型通りの…
ジャン・ユスターシュ監督作。有名な作品なので、学生の頃から見よう見ようと思つてはゐたのだが、三時間半の大作に尻込みしてゐた。これほどの長時間、ヴィスコンティのやうな藝術作品であるなら耐へられるが、青臭い人生哲学を聞かされることは勘弁。 私は…
ジャン・ユスターシュ監督作。5年ぶりに早稲田松竹で鑑賞。映画館でみると、この映画が持つ繊細な色彩、柔らかいパステル色が際立つて良い。 冒頭に "Douce France" が流れる。 「懐かしい記憶が甦る。小学生の頃に黒の制服を着て歩いた通学路。声高らかに歌…
www.youtube.com 私は反啓蒙主義思想家か、さうでなくとも保守思想家の書いたものを読むので、丸山眞男は大学の教科書としてか、或いは岩波の『世界』への寄稿文に触れた程度であるが、彼の「音楽はフルトヴェングラーの戦争中の演奏を以てその頂点とするの…
微雨。セイロンのサバラガムワ地方に所在のスプリングウッド茶園の紅茶を飲んでゐる。芳醇、まろやかで、口腔を刺激する嫌味は一切ない、より主観的な感想を云ふなら、和室で飲むのに適してゐる。さう、ビスケットにあはせる紅茶ではなく、羊羹と一緒に。
晴。啓蟄と云ふがまだ寒い。中国人を見ないで済み、中国語を聞かずに済む場所はないものか。先の大戦で徹底的に潰やしておけばよかつたものを。 8日土曜、旧友と朝食を共にし、紅茶屋に顔を出した後で(ディンブラ、ボガワンタラワ茶園の茶葉を購入、優しい口…
建仁寺東陽坊露地 陰のち雨。京都は愉快で良い、人も何もかも。東京で千憂を抱へてゐるのが阿呆らしくなる。東京に居ると、おそらく三十で死んで了ふ。「水が合はない」とは、かういふ事を言ふのだらう。あと三年の裡に、京都へ戻る方法を考へ、実行しなけれ…
人が成長する方法は唯一つ、人と関はることである。 1日、晴。岐阜に逗留。市内で梅花祭。年に一度この季節に開放される妙心寺派の禅寺、瑞龍寺境内の紅梅はまだ蕾。例年はとうに見頃を迎へてゐるので、珍しいことである。その後、柳ヶ瀬を歩いたり、小林漆…