Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

ゴダール『カルメンという名の女(Prénom Carmen)』1983

ジャン=リュック・ゴダールが死んだ。まだ生きていたことに愕いた。あとヌーヴェルバーグで存命なのはクロード・ルルーシュくらい?

私は一時期フランス映画に凝っていた。だからゴダールの作品は少なからず観た。否、「フランス映画好き」を名乗る為に、観ざるを得なかった。

ゴダールの映画の特徴は、天に迄届く青臭さ。登場人物が悉くキ印、おつむと育ちの悪い永遠の大学生たち。ゴダールの映画には、私の唾棄する何者かが含まれていた。だから気にいらなかった。

しかしゴダールは美人を起用することに懸けてはフランス映画界随一。『女は女である』のアンナ・カリーナ(元ゴダール夫人)など、明眸皓歯、瑕瑾なしだ。彼女らに着せる服もイケている。この点は認める。