Mon Cœur Mis à Nu

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

リラダン『残酷物語(Contes cruels)』1883、その2

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マーラーの第7番を聴きながら、『残酷物語』再読。「ヴェラ」や「サンチマンタリスム」、「見知らぬ女」など気に入っている小品は幾度となく読み返しているのであるが、この度は全体を通して。

『残酷物語』は作者の、神秘的な憤怒の漲る諷刺と壮麗な夢想とを、交互に愉しむことのできる短篇集。集録作品はいずれも、近代社会の低劣卑俗に対する仮借なき批判と、その原動力たる高度の理想主義とを示す。まったくヴィリエの大文章には人を酔わせる力がある。

 

讒言(ざんげん) 他人を陥れるため、ありもしないことを目上の人に告げること
箴言(しんげん) 道徳上の格言や実践的教訓
horsebit loafers 金具飾り付のローファ
井桁(いげた) 井戸の囲い
鴛鴦(えんおう) オシドリのこと。鴛鴦之契(えんおうのちぎり) 夫婦の絆
錬鉄(れんてつ) よくきたえた鉄
庭訓(ていきん) 家庭教育を意味する故事成語
呻吟(しんぎん) 苦しんで呻くこと
蹌踉として よろめくさま戞
戞戞として(かつかつ) 堅い物の触れ合う音がするさま
杵(きね) 穀物脱穀に用いる道具
亭々たる(ていてい) 樹木などが高く聳えるさま
挙措秀抜 立居振舞の優れているさま
穿ち過ぎ(うがち) 物事に深入りしすぎ、反って本質から遠ざかること
沙翁(さおう) シェークスピア
驀地(ましぐら) 激しい勢いで突き進むさま
該博(がいはく) 物事に広く通じていること

顫音(せんおん) トリルの訳語
蒲柳(ほりゅう) 体質がひ弱なこと
旗亭(きてい) 料理屋
海千山千(うみせんやません) 世間の表裏を知り尽くしてずる賢い人
響もす(どよもす) 鳴り響かせる
しとど はなはだしく濡れるさま
霊び(くしび) 不思議なこと
臺(うてな) 花の萼のこと
籬(まがき) 竹や柴などで粗く編んだ垣根
沛然(はいぜん) 雨が勢いよく降るさま
アズラエル 死を司る天使