Epistula ad mē

美というものは、芸術と人間の霊魂の問題である

リラダン『反抗(La Révolte)』1870

短い生涯のうち四年の間、おのが精神力を抑へつけてやつた妥協が、その精神力を弱めてしまつた!今更どうしやうもない!(...)試練は終つた。わたくしは敗れた。

リラダンによる三幕からなる戯曲。
1868年、作者三十歳の時に創作されたと推定されている。1870年パリのヴォードヴィル座で初演、失敗。同年、初版をルメール社より上梓。
ワーグナーと親交を結んでいたリラダンは、彼の前でこの作品を朗読し、深い感銘を与えたと記録されている。

俗物の「上流人士」の妻として四年の時を耐え忍んだ女は、彼から離れ、夢にみた幽玄の世界で生きようと行動を起こすも、自身が「社会生活」に毒されてしまったことに気付き、すべてを諦める。理想に生きんとする人の「敗北」を描く作品は、リラダンには珍しい。