陰のち沛然豪雨、雷鳴。私から精気を奪ふのは何だらう。季節だらうか、だが一過性のものと思へぬ。これではいけない。私には怒りが必要である、中世の峻厳なる修道士の、すなはちボオドレエルの。私は戰はねばならない。何故私が負けねばならない?卑劣漢の前に膝を屈してはならない、諦念は私の本領ではない。十字架を掲げ戰ふのだ、あの頃のやうに。あの頃よりも果敢に。
今ハッキングジャケットを考へてゐる。先日仕立て屋と話した。ポーターハーディングはじめ幾つか生地をも見せて呉れた。イメージが定まらない。ブリーチーズやゲートル、ニッカーボッカーズ、レギンスを合はせる積りはない。むつかしい。
考へを纏める為、服飾史家のセシル・ウィレット・カニングトン(彼の蒐集した17世紀来の服飾コレクションはマンチェスターの古色蒼然たるPlatt Hallに展示されてゐた。だが2021年にCity Galleryに移されたと云ふ)のHandbook of English costume in the nine-teenth centuryや、アラン・マンズフィールドのHandbook of English costume in the twentieth century, 1900-1950をながめてゐる。
ハッキングジャケットとその着こなしには、厳密な規定がある譯ではないのだと思ふ。ただ乗馬服(それは即ちハイドパークのロッテンロウでのドレスコード、モーニングコートにトラウザーズかブリーチーズ及びトップハット)から派生したジャケットである事を忘れてはならない。而して以下が構成要素となるだらう。
・シングルブレステッド
・前裾はカッタウェイ
・フレアスカート(タイトなウエスト)
・センターベント
・ハイネックで、釦数は4つを推奨
・スラントしたサイドポケット
・スロートタブ







