Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

デ・プロフンディス(De Profundis)_羅和対訳

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デ・プロフンディス(De Profundis)とは、「われふかき淵より汝をよべり」を冒頭の語にもつ痛悔の詩篇130のことを指す。但し多くの作曲家が曲を付けている為、聖歌として広く知られている。

既に腐った花で蔽われている墓の前で、ミシェールは義務的に二度続けてデ・プロフンディスを唱えた。

とフランス小説に登場するように、これは死者のための祈り、即ちレクイエムの一種である。ちなみにユイスマンスがその著作『出発(En Route)』の中で蘊蓄を垂れるのは、まさにこの曲のことである。

 

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1 De profundis clamavi ad te, Domine;
あゝヱホバよ われふかき淵より汝をよべり
2 Domine, exaudi vocem meam. Fiant aures tuæ intendentes in vocem deprecationis meæ.
主よねがはくはわが聲をきゝ汝のみゝをわが懇求(ねがひ)のこゑにかたぶけたまへ
3 Si iniquitates observaveris, Domine, Domine, quis sustinebit?
ヤハよ主よなんぢ若もろもろの不義に目をとめたまはゝ゛誰かよく立つことをえんや
4 Quia apud te propitiatio est; et propter legem tuam sustinui te, Domine. Sustinuit anima mea in verbo ejus:
されどなんぢに赦あれば 人におそれかしこまれ給ふべし 我ヱホバを俟望む われはその聖言(みことば)によりて望みをいだく
5 Speravit anima mea in Domino.
わが靈魂(たましひ)はまちのぞむ

6 A custodia matutina usque ad noctem, speret Israël in Domino.
わがたましひは衛士あしたを待つにまさり誠にゑじが旦(あした)をまつにまさりて主をまてり イスラエルよヱホバによりて望をいだけ
7 Quia apud Dominum misericordia, et copiosa apud eum redemptio.
そはヱホバにあはれみあり またゆたかなる救贖(あがなひ)あり
8 Et ipse redimet Israël ex omnibus iniquitatibus ejus.
ヱホバはイスラエルをそのもろもろの邪曲(よこしま)よりあがなひたまはん

 

それにしても歓びの降誕祭を控えて、何故葬式の詩を取り上げているのだろう?