Epistula ad mē

美というものは、芸術と人間の霊魂の問題である

ユゴー『九十三年(Quatrevingt-Treize)』1873

榊原晃三譯, 潮出版社, 1969年。
大革命当時の「ヴァンデの反乱」(1793)を主題として、人間愛に基いた革命精神を謳いあげた大河小説、というより歴史の教科書。大革命当時の風俗やら、風潮やらを知るのには良い。物語終盤、人道主義に駆られたゴーヴァンの内省が面白い。ユゴーのしつっこく力強い文体が効果を生んでいる

 

寛大な行為に答えるのに、野蛮な行為をもってしようとは!
これでは革命に泥をぬることではないか!

 

作中『主祷文(主の祈り)のように知っている』という素敵な慣用句が使われていた。
絶対に忘れようのない事柄を指して云うのだろうけれど。「知っているようで全く理解できていない」という意味でも使えそうだ。

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ヴィクトル・ユゴー(Victor Hugo), 1802-85
ロマン派最大の詩人、小説家。熱烈な共和主義者にして人道主義者。第三帝政期にはベルギーに亡命をした。