
ジャン・ユスターシュ監督作。5年ぶりに早稲田松竹で鑑賞。映画館でみると、この映画が持つ繊細な色彩、柔らかいパステル色が際立つて良い。
冒頭に "Douce France" が流れる。
「懐かしい記憶が甦る。小学生の頃に黒の制服を着て歩いた通学路。声高らかに歌つたものだ、言葉なきロマンスや、過ぎ去りし日の古い詩を」。
優しき祖母と共に普通の生活を過ごしてゐた少年。しかし貧しき母に引取られたお陰で、コレージュへの進学を諦め、修理工に。落伍者として灰色の日々を過ごす惨めな少年の青春を描く。
作品を覆ふもの哀しさ、しかし嫌な感じはしない。青春の記憶は、どのようなものであれ、慰めになるといふことなのだらう。