Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

谷崎潤一郎『鍵』1956

互いの日記を通じた男と妻の心理戦。 性の慾求に操られるコマと化す2人。貞淑な妻のファムファタルへの変貌。男は破滅に追いやられる。『細雪』とは違う谷崎を(むしろこちらが彼の本分だが)味わえる作品。彼は本当にマゾキストだな。