Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

パリ紀行(5)_ソレム修道院への巡礼

巴里に退屈を覚え始めた此頃、グレゴリオ聖歌復興の地、ヴィリエ・ド・リラダンも屡々訪れたというソレム修道院へ。生涯で一度は行かねばと思っていた。

 

朝まだきと云っても午前8時に近いが、写真の通りパリの日の出は遅い。モンパルナス駅からナント行きのTGV(INOUI)に乗車。片道1時間半の旅路。

一等車内、シートの色が悪趣味。乗り心地は新幹線の一等の方が良い。

ソレム修道院の最寄りはサブレ・シュル・サルト。ソレムの隣りの小さな街である。此処からタクシーで10分程度(滅多に待機はしていない)、歩くと1時間強の時間を要する。

サブレ・シュル・サルトの街並み。住民の強制移送(国際法上の戦争犯罪)でもあったのか知らんと思わせる、寂しい街。因みにサブレもソレムも、英語が全く通じないから要注意。

街のシンボルはサブレ城と、ノートルダム教会(19世紀末再建)。

ソレムまでは平坦で真直ぐな道であるから、距離はあるが歩ることも可能。私は往路はタクシーで、復路は歩いた。

サルト河を跨ぐ橋梁が、街の境界を成している。

ソレムのサント・セシル女子修道院が見えてくる。今回の目的地、ソレム修道院(正式名はソレムのサン・ピエール修道院)と同じ、ベネディクト会のゲランジェ神父が再興した。

ソレム修道院

巡礼者と云っても、所詮観光客の見学できる区域は極限られており、ミサが行われる会堂のみ。撮影禁止。私は十時のミサと六時課(Sext)に与った。内部の作りはロマネスクで、巴里で散々ゴシック建築を見た私の眼には優しく映った。一部は11世紀の意匠が保存されているとか。白い石造りの身廊、イエズスの木製十字架を正面にいただく。第2バチカン公会議の意向に沿うてかは知らぬが、豪華絢爛な祭壇はない。

はじめ、黒い修道服を着た修道士が2列で入場。祭壇に一礼、互いに一礼し左右に分かれて席に着く。続いて15名は居ようか、対照的な白の祭服をまとう司祭団、最後に司式司祭が入場する。オルガンの音はない、グレゴリオ聖歌の旋律による、歌ミサのはじまりであった。

修道院全景。この本館は近代のもの。

付属の教区教会にて。

 

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