Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

20230903日記

秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞ驚かれぬる

 

晴れ。処暑らしく、昼の日差しは夏そのまま乍ら、夕暮れ時には涼しい風もある。

今朝は肺腑を抉るやうな悪夢で目を覚ました。愛する人、友人、そして来し方の夢。これらが象徴的に出現しては、私を拒絶した。悪夢と申せど、それはここ幾年の間に、私の身に降り掛かつた現実の走馬燈であつた。主日ミサはサボタージュした。今の気分でかの低劣な典礼ミサ曲を聴くと、信仰の躓きになり兼ねなかつた。

昼、近くのフランス料理屋で食事。マダムに先日の函館羇旅の事など話した。メトロで銀座まで出る。買物をしてゐると、今朝教会へ行かなかつた事が私の心を咎めるので、近くの築地教会をおとなへば、彼処人影なく、私は沈黙の裡に祈りを捧げた。