Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

タルコフスキー『サクリファイス(Offret)』1986

本日は待降節第3主日、「喜び(Gaudete)の主日」。神父様は薔薇色のストラをまとう。入祭唱ではVeni, veni, Emmanuelが歌われた。

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静謐な美を湛えたアンドレイ・タルコフスキー監督最期の作品。マタイ受難曲に始まり、終る。Vatican's list of filmsで推薦。良い映画というのは「音」への拘りが違う。

神の意を知り乍ら、遂にそれに従う能わざる人間の愚、絶望を描いていると思い鑑賞したのであるが、どうもそれだけではない。タルコフスキーは本作品で、神に寄り恃む者の希望を示した。主人公である無神論者の老人は、神をみることができたのか?

ラストに於る幼子の台詞。

In the begining was the word. Why is that, Papa?

幼子のこの単純さをこそ、主は愛し給う。

 

映画で言及されるAdoration of the Magi(東方三博士の礼拝)。