Mon Cœur Mis à Nu

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

ドン・ボスコ社『愛の使徒 聖ウィンセンシオ・ア・パウロ』1935

神は愛なり(一ヨハ4:16)

 

ドン・ボスコ社発行の『愛の使徒聖ウィンセンシオ・ア・パウロ』なる書物を読んだ。聖人伝とはなかなか面白いものである。

 

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前にも書いたが、聖ヴィンセンシオ・ア・パウロは「行動」の人である。教会や修道院に閉じ籠る人ではない。泥濘に堕落した人を救わんと欲するならば、自らも亦泥濘に入り込むだけの覚悟がなければならない。奴隷として重労働を経験し、ガレー船で徒刑人の身代りをつとめた聖ヴィンセンシオには、それが明らかであった。聖ヴィンセンシオの下には、陸続として救いを求める人々が集ったという。

聖ヴィンセンシオは老いても猶働き続けた。命旦夕に迫る頃には、彼の身体は過労のため、見る影もなく曲ってしまうほど。聖ヴィンセンシオはジュール・マザラン卿に斯う言ったことがある。

大臣閣下、私達は天国で永遠に休息する事が出来ます。しかも悪魔は決して休息する事を致しません。それで、せめて現世に居る間は、私達に休息が許されてはなりますまい。

 

有言実行の男。私の憧れ。私は聖ヴィンセンシオを崇敬する。
主よ、聖ヴィンセンシオ・ア・パウロの執成しを以て祈ります。私に、彼の不屈の精神と行動力を。