Mon Cœur Mis à Nu

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

ドン・ボスコ社『ドメニコ・サウィオ傳』1929

エス跪づきて祈り言ひたまふ、『父よ、御旨ならば、此の酒杯を我より取り去りたまへ、されど我が意にあらずして御心の成らんことを願ふ』(ルカ傳22:41-42)

 

ドン・ボスコの『ドメニコ・サウィオ傳』を読んだ。
ドミニコ・サヴィオカトリックの聖人。1842年サルデーニャ王国ピエモンテのリーヴァに生れ、モンドニオで育ち、やがてその才を認められ、トリノのオラトリオで学んだ。

 

僕は、罪を犯すくらゐなら死にます

 

齢7年にして初聖体を受けた日、ドミニコが書いたとされる手記である。ドミニコは幼少の砌から熱心な信仰心を見せ、快活な少年らしさを持ちながら、神の御心に適う人物であらんとする不断の決意に生きていた。

印象的なエピソード。ドミニコは、街角で病人の為に運ばれる聖体に出逢う時、たとえ雨で道が泥だらけになっていようとも、必ず跪づいて礼拝をした。着物を気にして跪づくことをしない者がいると、彼はその者のため、自らのハンカチを敷いたという。

しかしドミニコの知恵の鋭敏と、精神の不断の緊張とは、彼の生命を蝕んだ。彼は齢15年にして帰天するが、今際の時、彼の裡にあるのは唯喜びのみであった。

 

主よ、聖ドミニコ・サヴィオの執り成しを以て祈ります。私に彼の揺るぎない信仰を。