Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

ヴィスコンティ『山猫(Il Gattopardo)』1963

ルキノ・ヴィスコンティ監督作。カンヌでパルム・ドール。俳優はバート・ランカスターアラン・ドロン、クラウディナ・カルディナーレら、ヴィスコンティ作品にお馴染みの顔ぶれ。

教養と秩序、正統美。これぞ芸術。バチカンの推薦を受けるのも宜なる哉。
これ程にピトレスクな映画を作るのはヴィスコンティだけだろう。なおアメリカ人を苛立たせる相変わらずの冗漫さは健在である。

自由主義の勃興、ジェントリ階級の台頭(19世紀の黒死病である)。これらによって、シチリアの名門貴族の血統・精神が、じわりじわりと冒されていく様を、もの哀しく描く。

 

我々は山猫であり獅子であった。今やジャッカルやハイエナに、その地位を譲ろうとしている。しかしすべての存在は、自らこそが地の塩、世の光であると信じ続けるのだ。