Epistula ad mē

美というものは、芸術と人間の霊魂の問題である

『甘い生活(La dolce vita)』1959

 フェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini)監督作。退廃的で不毛な生活を送る現代人が描かれる。1960年のパルム・ドール

 作中では「宗教」や「家庭」など様々なモチーフによって「道徳」が示される。しかしそれら道徳は尽く自壊し、主人公マルチェロは失望する。結果、彼は「道徳」との訣別を選択した。これを象徴するラストシーンでは、再び登場した中世画の天使のような横顔を持つ少女(=道徳の象徴だろう)に対し、マルチェロは背を向ける。

 シンボリックな表現が多くて、「これは何を意味するのだろう」と悩まされることも多少あったが、総じて悪くはなかった。しかしイタリア語の所為もあるだろうが、ちょっとうるさくて疲れる。

 アヌーク・エーメ(Anouk Aimée)が出演してるのだけれど、伊語吹替だから彼女の甘い声を聴けない。だがさすがの演技力であった。彼女は表情を作るのが上手なんだろう。