Epistula ad mē

美というものは、芸術と人間の霊魂の問題である

2021-07-03から1日間の記事一覧

リラダン『至上の愛(L'Amour suprême)』1886

そして、ありし日と同じく、私は感じた、この若い女人に於て私を魅了するものは唯々その魂の清澄のみであることを! ヴィリエの短篇集、及びそこに録された同名一短篇。譯者は本物語を、ヴィリエ自身の初恋の告白であると捉えている。「真の貴族は唯一度しか…

ユイスマンス『出発(En route)』1895

前作の『彼方』で人工的楽園に浸っていたデュルタルが信仰の道へと「出発」する。これまでの自分自身に対する侮蔑と慚愧に懊悩する男の内心には痛ましいものがある。 霊的自然主義の実践、緻密な細部描写が特徴的。『さかしま』や『彼方』同様、よほど変わり…