Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

リラダン『至上の愛(L'Amour suprême)』1886

そして、ありし日と同じく、私は感じた、この若い女人に於て私を魅了するものは唯々その魂の清澄のみであることを!

 

ヴィリエの短篇集、及びそこに録された同名一短篇。死を越えてこそ実現する男女の永遠の愛。譯者は本物語を、ヴィリエ自身の初恋の告白であると捉えている(事実かどうかは疑わしい)。「真の貴族は唯一度しか恋をしない」ために、最後の恋の記憶でもある訳だ。ヴィリエは、この恋の実在を証明するために、創作を続けなければならなかった。