Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

森鷗外『堺事件』1914

鷗外の歴史小説。鷗外は死の描写をロマネスクに書く事が無い。

 

短刀を取って左に突き立て、少し右へ引き掛けて、浅過ぎると思ったらしく、更に深く突き立てて、緩やかに右に引いた。

 

斯うした具合である。まるで料理の手順書のやう。失礼な喩えかな。