Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

20230103日記_碑文谷教會にて

晴れ。

偶には遠出しようと思い立ち、かねて見物したかったカトリック碑文谷教會まで出かけることにした。いつもの仏料理屋で晝餉を済ませて向かう積であったが生憎の満席だったので、(呪詛しつつ)腹を空かせたままメトロに乗り込む。

東横線内の事故により、本来20分の距離だが1時間近く乗車。学芸大学前で降りる。既に困憊していた為に車を拾おうと思ったが、楽して教会に向かうのは気が引けた。聞く處によれば徒歩15分の道程。歩くことにした。

25分近く歩いて漸く到着。敷地は広い。運動場があり、子供たちが遊んでいる。良い光景だ。私は常々、教會の鐘の調べと子供たちの声に優るハーモニーは、この世に無いと思っている。

會堂はWheel windowを具えたロマネスク式。夙川教會に似ている、つまり日本のカトリック教會に典型的なファサード。だが堂内の装飾は、万事質素な日本のカトリック教會でちょっと例を見ない。

正面に磔刑のイエズスを崇め奉り、正面左には悲しみの聖母のピエタ、右には聖ヨハネ・ボスコ像が設置されている。身廊をイエズスの生涯と諸聖人を描いた絵玻璃が囲繞する。紺碧のフレスコ画が壁面を飾り、天井からはロマネスクな釣燭台が下げられている。ここはイタリーか、はたビザンツか? 面白い場所だった、友人を連れて再訪しよう。