こんなに美くしいことがあるか。90年代に於て比類に絶する美くしき映画。美を表現するに言葉は多く要らぬと、納得せしめらる。伯爵夫人の高峰を見初めし時、閉じられた雙瞳。極論、映画に台詞は不要だ。
ただひとつ興ざめしたのは、男と女に二度目、三度目の逢瀬があること。これはあり得ない。愛の一瞬は永遠と同義であることが判らないのか。泉鏡花が書いたのは、正にこの点であるものを。墨汁一滴どころではない、インク瓶をぶち撒けたかのような汚点である。
こんなに美くしいことがあるか。90年代に於て比類に絶する美くしき映画。美を表現するに言葉は多く要らぬと、納得せしめらる。伯爵夫人の高峰を見初めし時、閉じられた雙瞳。極論、映画に台詞は不要だ。
ただひとつ興ざめしたのは、男と女に二度目、三度目の逢瀬があること。これはあり得ない。愛の一瞬は永遠と同義であることが判らないのか。泉鏡花が書いたのは、正にこの点であるものを。墨汁一滴どころではない、インク瓶をぶち撒けたかのような汚点である。