正気の人間で幸福だなんてことはありえないんだよ。
『トム・ソーヤーの冒険』で名の知られているマーク・トウェイン(Mark Twain)晩年の作品。サーカズムとヒューマニズムを駆使して、人間の醜さ、卑小さを告発する。ペシミスティックな作品。彼は大したストーリーテラーだと思う。
だが結末はいけない。胡蝶の夢? いきなり古代中国の思想家のように喋りだして。これは誤魔化しだ。話を大きくし過ぎて、纏めきれなくなったのか。解説を読んだ所、結末は第三者による継足しであったそう。ちぐはぐなのも納得だ。
あれこそが人間のやり口なんだよ。獣みたいだなんて、とんでもない言葉のはきちがいだな。獣のほうが侮辱だと怒るよ。あんなことは、獣はしやしない
私のような事をいう。