Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

2024-01-01から1年間の記事一覧

パリ紀行(6)_ルーヴルにて 

昼下がりの公園にて、年端も行かぬ5歳位の少女が入口を通ろうとしていたから、私は戸を開けて彼女を通した。すると彼女はこちらを振り向いて、顔を斜に、口元に微笑を湛え乍らmerci, monsieurと、いとも優雅な挨拶を私に返して、軽やかな足取りで去って行っ…

パリ紀行(5)_ソレム修道院への巡礼

巴里に退屈を覚え始めた此頃、グレゴリオ聖歌復興の地、ヴィリエ・ド・リラダンも屡々訪れたというソレム修道院へ。生涯で一度は行かねばと思っていた。 朝まだきと云っても午前8時に近いが、写真の通りパリの日の出は遅い。モンパルナス駅からナント行きのT…

パリ紀行(4)_ヴィリエ・ド・リラダン伯の墓

巴里に来て十日が経つ。本日のミサ曲はキリアーレから第12番Pater Cuncta(万物の父)が歌われた。サンクトゥスの抑揚が美くしい。これが歌われるミサに与った事のある現代日本人は、恐らく私だけだろう。 私はメトロを降り、メニルモンタン通りからペール・ラ…

パリ紀行(3)_モンマルトルとモンパルナス

信心深い女というのは、何故斯くも美くしく私の眼に映るのか。日本でめっきり見ないからだろうか。もっとも我が国のご婦人方の金銭への信仰の篤さは見上げたものだが。サクレ・クール晩課の帰るさ、ペール・ラシェーズで母の手を引き、メトロを降りたうら若…