Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

20230423日記

曇り後霽れる。風が冷たく心地よい。

復活節第三主日。先日仕上がったトラバルドトーニャのベージュスーツに身をつつみミサに与る。ミサ後レモネードを配る(?)

近所のフランス旗亭で食事を済ませ、銀座に向かう。「ブリッヂ」でMと会う。数えてみた所4年ぶりの事である。その星霜を感じさせないのは、時々は電話をしているからでもあろうが、それよりも、互いの性質が変っていない為だと思われる。

彼女でない旧友と会う時、私は淋しい思いをすることが非常に多い。それは彼等の悉くが近代社会に適応すべく「進化」を遂げており、私の知らない人間となっているから。"Ich kenne des Menschen nicht."。悵然大息。温めるべき旧交は、もうそこにはない。

だが、そんな有象無象供と異なり、彼女は変わっていなかった。それは私にとって喜びであり慰めであった。