Mon Cœur Mis à Nu

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

20241110日記

20241109 晴、寒し。晏起。ツイードを着用。カテドラルで荘厳司教ミサ、過日枢機卿に任命されたと報道のあつた菊池大司教の司式。猊下に対する私の印象。まず談話が論理的である。司祭団の中にあつて、際立つてお話がお上手、聡明な御仁。そして教皇聖下に対する従順。「●●に於て、教皇様は●●と仰つてゐます」が口癖。今回の人事もかうした忠誠心が報はれたものと推察する。悪く聞えるかも知れないが、教皇への従順はカトリシスムの基本であり、美徳であつて、さうした意図はない。夜、神保町で会食。秋の永き夜、酒を飲み、人と談論するに如く愉快な事はない。帰宅の道すがら、新宿の珈琲タイムスで一服、新聞に目を通す。トランプ次期大統領はポンペオ元国務長官を起用しない。内外の政治情勢や経済には或る程度通じてゐる積りだが先日"Faits Divers"、いはゆる三面記事への疎さを指摘された。さもあらう、私は「闇バイト」とは何であるのか、よく把握してゐない。

 

20241110 陰、後微雨。早起程辛いものはない。朝、溜つた家事をこなす。いつもの仏蘭西料理店で昼餉、軍鶏(シャモ)のsaladeが美味。ゆつくりカフェする時間もなく、神田教会へ。御公現後残れる第5主日助祭、副助祭を伴ふ荘厳ミサ。さうか、もうすぐAdventなのか、マリアージュ・フレールアドヴェントカレンダーが欲しいなあ、などと説教中にぼんやりと考へてゐた。嘗て私にそれを贈つて呉れた人はもうゐない。ミサ曲はOrbis Factor、奉献文にDe Profundis。閉祭、聖母のアンティフォナ、Solemn toneのSalve Regina。そろそろAlma Redemptoris Materが歌はれる季節、巴里で思ふ存分聴くだらう。帰館、力尽きる。一寸疲労が溜つてゐるかも知れない。