Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

20230323日記

雨。プーランクの『カルメル会修道女の対話』と云うオペラを観てみたい。真砂中央図書館にCDはあるらしい。次の主日、御ミサの後にでも訪ねてみる事にする。

 

桜を観に京都へ行く。近所の神田川沿いの桜が見頃を迎えていたものだから、急いで京に飛んだのだが、京の桜は厚咲きであった。いや、東京の桜が節操無いだけか。

まず向かったのは平安神宮神苑の八重紅枝垂櫻は洛中随一と名高く、その美くしさは谷崎潤一郎の御墨付き。しかし今日の所は蕾であって、代わりにアセビが大変な見頃を迎えていた。

南禅寺道まで歩し順正で昼餉を済ます。青蓮院、知恩院あたりを逍遥した後、円山公園の枝垂れ桜を観る。こちらは満開。八坂神社に進み祇園界隈を抜け、三条から地下鉄に乗り、今出川で下車。しかしALMA MATER(近々圖書館を建直すらしい、尖塔を具えるネオ・ゴシック様式で)に用はない。学生時代に入浸った喫茶店へとご挨拶、引留めに引留められ、2時間ばかり滞在。日暮れに近い頃店を出る。

急ぎ相国寺を横切り、寺町の本満寺へ。目当ては本寺の境内に佇む枝垂れ桜。あまり知られていないが、この木は円山公園祇園枝垂れ桜の姉妹木である、樹齢は90年程。その堂々たる立居姿は實に美くしいし、この美くしさを知る者は、誠の京の人間であろう。

今回の訪問、桜の季節こそ外したが、代わりに混雑に辟易することなく、栩栩として散歩を愉しめたから、可しとする。好物の「大極殿」を買って東京に戻る。

 

deadlock 行き詰まり
figs いちじく
窮み(きわみ)
苑生(えんせい、そのお)
doggy bag 持帰り用の袋、現代では普通にcontainerと云う。
serial 連続的な
all the way はるばる、わざわざ
てんご いたずら、ふざける事。関西方言。