Mon Cœur Mis à Nu

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

20221013日記

つまらぬ、精神を消耗する、だが私に糊口を許す有難い仕事を終えて帰宅。
郵便受けに神からの祝福。

かねてより垂涎していた書物、『リラダン=マラルメ往復書翰集』森開社, 1975が届いた。森開社というのは仏文学を専門とし奢侈な装幀で有名な道楽の出版社であるが、如何せん「古本マニア」などという碌でも無い生き物が出版物を買い漁る為、本に不健全なプレミアが付いている。今回、状態の良い品を、良心的価格で手中に収めることができ、大変満足している。1週間程かけて丹念に読込み、覚書を残そうと思う。

 

もう1つ、リラダンに関する論文を読んでいる。木元氏による、ヴィリエの文学活動の背景として「神に対する失望」があるとの指摘は面白い。また活動の目的が「神に代わり、自らの手によって貴族たる自身を証すること」にあるとみるのも卓見だと思うが、私の疑問は、何故しばしば彼が自身を投影させたとも思える作中の精神的貴族が、「敗北」を蒙るのかという点にある。「敗北」の定義からして曖昧であるが、エワルド卿の最期を見よ。あれを勝利者と位置付けることが可能か?

 

秋闌ける(あきたける) 冬に移る時期、自然がもの哀しく映る時
囈(たわごと)
囈語(げいご) 寝言、うわごと。
やらふ 追放する
梟雄(きょうゆう) 残忍で勇猛であること、またそのような人
後裔(こうえい) 後胤、子孫
泛(あまねく)
凄然(せいぜん) 非常にもの寂しい感じがするさま
悒(うれえる)
悒愁(ゆうしゅう) 憂愁におなじ
牢乎として抜くべからず ゆるぎない様子を表す語
亀鑑(きかん) 行為、判断の基準になるもの、手本
千古(せんこ) おおむかし
阿諛追従(あゆついしょう) 他人におもねること
仮睡(かすい)
佳人(かじん) 美しい女性
燦爛玲瓏(さんらんれいろう) 澄んで美しいさま
赫赫(かくかく) 赤赤と耀くさま、功名などが立派で目立つさま
醇乎たる(じゅんこたる) 全くまじりけのないさま
暗晦(あんかい) 暗いこと
晦(つきごもり) 月が隠れる
カバートコート(covert coat) ノッチラペルの紳士用外套、狩猟や乗馬の際に着用
首魁(しゅかい) 先駆者、首謀者
香柏(こうはく) レバノン
篠懸(すずかけ) スズカケノキ
アコレード(accolade) 騎士号の授与
迂遠(うえん) 方法、思想などが遠回りなさま