Epistula ad mē

美というものは、芸術と人間の霊魂の問題である

『オフィサー・アンド・スパイ(J'accuse)』2019

仕事終わりに池袋のシネマで。

戦場のピアニスト』、『マクベス』のロマン・ポランスキー(Roman Polanski)監督作。ヴェネツィアで銀獅子。映画祭で上映後はスタンディングオヴェーションを受けたとか。

19世紀末フランスのドレフュス事件を題材とする。原題のJ'accuseは、エミール・ゾラ(Emile Zola)がドレフュス擁護のためオロール紙(L'aurore)に載せた告発文、「私は弾劾する」(1898)に由来するもの。このことから伺えるように、ドレフュス事件は政治史上のみならず、文学史上の大事件でもあった。

事件の真実を暴かんとする側を過度に美化することもなく、ユダヤ人を過度に擁護することもなく、安定した映画だった。素直に歴史物映画として評価できる。制作費用に恵まれていなかった為か、CG処理の多さが残念であったけれども、愉しめた。

 


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ピカール中佐とモニエール夫人が顔を合わせた晩餐会で演奏されていた、また家宅捜査後の荒れたアパルトマンで中佐が演奏したのは、フォーレのピアノ四重奏曲第2番。背徳な恋の現場で流したい一曲。