Mon Cœur Mis à Nu

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

バタイユ『マダム・エドワルダ(Madame Edwarda)』1941

筋らしい筋のない、ヌーヴォー・ロマンの先行作品というべきもの。男と娼婦の、啓示的な一夜の物語。バタイユは、『聖なる神』という総題のもと、エロティシズムを主題とした三部作を構想していた。本作はその第一部である。

快楽と苦痛、すなわち性と死は根本的親近性を持っており、歓喜は死の眺望のうちにこそ見いだされる。バタイユ哲学を凝結した象徴的作品。

 

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ジョルジュ・バタイユ(Georges Bataille)1897-1962
「私は哲学者ではなく、聖者であり、狂人なのかもしれない」
ただの狂人だと思う。