Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

高踏派、頽唐派、超自然主義について

高踏派(les parnassiens)
主観的で感情過多なロマン主義を克服し、詩における一種のレアリスムともいうべき没個性と不感無覚を標榜する。形式の完璧性を重んじ、民衆の趣味に迎合することを峻拒。テオフィル・ゴーチエ(Théophile Gautier)ルコント・ド・リール(Leconte de Lisle)に代表される。

 

頽唐派(les décadents)
いわゆるデカダンパウル・ブールジェ(Paul Bourget)の定義では、「祖先の美しい夢にいやしがたいノスタルジーを抱き、早熟と悪癖によって内なる生命の源を枯渇させ、とりかえしのつかない己れの不運をたえず醒めた目で裁いている」人々の総称。彼はこの典型をボードレールのうちに見た。

 

自然主義(Supernaturalisme)
当代の実利・実証主義万能を排して、カトリシスム擁護のため闘争し、幻想性をもちこむことにとってロマン派にその文学を結びつける運動。
代表的作家
バルベイ・ドールヴィイ(Barbey d'Aurevilly)
カトリシスムと正統王朝主義を擁護する執拗な活動を行う。Les Diaboliques(74)
ヴィリエ・ド・リラダン(Villiers de l'Isle-adam)
象徴的・神秘的な手法で、物質主義的社会および写実主義作家を告発。現実に対する夢の勝利を高らかに謳う。Axël(90)
レオン・ブロワ(Léon Bloy)
バルベイ・ドールヴィイとの出会いからカトリックに回心、燃えるような信仰の権化に変貌した。Le Désespéré(86), La Femme pauvre(97)