Epistula ad mē

美というものは、芸術と人間の霊魂の問題である

2021.01.04日記

 今日は祖父と祖母に会いに行った。

 かつてこれ程まで、主なる神に強く祈ったことがあったか。助けを求めたことがあったか。
 祖父のことだ。日に日に頭と体が弱っている。言葉を交わすことにも苦労するほどだ。けれど僕には分る。祖父の僕に対する愛は健在だった頃と少しも変わっていないことが。僕に会うことを何よりの楽しみにしていてくれることが。
 僕が小さかった頃、祖父は日頃から僕に会いに来て遊んでくれた。僕は帰って欲しくなくて、夕方になると祖父の靴を隠した。家族に宥められ、僕が泣きながら靴を差し出したことは、今では笑い話になっている。

 いまは逆だ。祖父は僕に対して帰って欲しくなさそうな表情をみせる。強く別れを惜む様子をみせる。以前には無かったことだ。感情のコントロールができなくなっているのか。
 
 キリスト•イエス、貴方の御名の下に祈ります。祖父を聖霊で満たし、彼に幸福を与えてください。今も、彼が死を迎える時にも、彼の現世での功徳に値する幸福を与えてください。祖父の願いとは異なるでしょうが、僕はどうなっても良い。僕は元来徳の高い人間ではありません。受難も耐え忍びます。その代わりに、彼を苦しみや不安から解放してください。
 
 カトリック共同体に、祖父について神に祈って頂けるよう頼んだ。みなの優しい言葉に慰められる。カトリックの強さはここにある。つまり人と人の心のふれあい、温かさにある。