アンドレイ・タルコフスキー監督の2作目。1962年の金獅子賞。 "Иваново детствo"は「イヴァンの少年時代」の意。脚本はソビエトの作家ウラジミール・ボゴモーロフの『イヴァン』を下敷きにしている。話の展開とともに少年が何者なのか明らかになるというミステリアスな構図をとる。
舞台は独ソ戦の戦場。母と妹をドイツ軍に殺されたことから、復讐心に駆られる少年イヴァンを中心に話は進む。彼はソ連軍の偵察を務めていた。彼は大人の制止を聞かず(軍人たちは彼を幼年学校へ送ろうとしていた)、前方で戦争への参加を主張する。憎しみ一色に染まった少年をどう扱えばよいのか、当惑する大人の姿が描かれる。
僕が注意したいのは、ベルリンが陥落した後にイヴァンの処刑を知った時のガリツェフ中尉の顔だ。イヴァンに凄惨な死を与えたドイツ軍を彼は憎んだ。憎しみが憎しみを生む戦争の性質を、この映画は表現しているのだと思う。
ロシア語勉強してよかったと少し思えた。