Mon Cœur Mis à Nu / 赤裸の心

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

ルイ・マル『五月のミル(Milou en Mai)』1990

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ルイ・マル(Louis Malle)監督作。音楽をジャズヴァイオリニストのステファン・グラッペリ(Stéphane Grappelli)が担当。若きフランソワ・ベルレアン(François Berléand)も出演している。

1968年5月革命の最中。南仏のブルジョワ一族の、遺産相続の話。
5月革命がどういう類のものであったのか、一族の人間ドラマを通して理解できたような気がする。人々は浮かれて夢をみていたのだろう。だが夢は終わるもの。5月革命の収束とともに、目を醒まして現実へと戻っていった一族がそれを象徴する。

1日中使用人に墓を掘らせておいて、隣でミルが「労働からの解放 !」なんて騒いでいるシーンは面白かったな。自己矛盾に気づけない浮かれ様。