ルイ・マル(Louis Malle)監督作。Occupied Franceでの少年の物語。マルが戦争を映画にする時、その舞台は戦場や収容所ではない。そこに彼の創造性があると思う。
ルシアン・ラコームという少年は、剛健で野性的。或いは牧歌的で純粋。無知。
レジスタンスへの参加を拒まれた彼は、「見せかけの権力」を与えてくれるゲシュタポの協力者となり好き勝手をはじめる。無知な猿におどおどする占領下フランスの人々。彼はますます調子づく。そんな彼がユダヤ人の仕立て屋アルベルト・ホルンの娘フランスに恋をする。
色々な感情が引出される作品であった。アルベルトがルシアンに話したかったこととは ? なぜアルベルトはフランスに金時計を渡していたのか ? こうした描写に最も心を揺振られた。アルベルトもフランスもありのままのルシアンを愛することができたのに、と残念で仕方がない。
作中フランスがベートーベンのソナタを演奏する。第14番「月光」の第1&3楽章と第31番の第1楽章。
turn-coat 変わり者
syphilis 梅毒
thrash 鞭で打つ
plaid 格子じまの織物、キルト
thug 悪党