Epistula ad mē

「美」というものは、藝術と人間の霊魂の問題である

french films

ドゥミ『都会の一部屋(Une chambre en ville)』1982

2022年映画初め。ジャック・ドゥミ監督作。ヒロインは『家族の肖像』『1900年』に出演しているドミニク・サンダ。『ロシュフォールの恋人たち』に引続きダニエル・ダリュー、ミシェル・ピコリ(例に漏れず変態役)が出演。 ドゥミは部屋の装飾や登場人物の服飾…

ロメール『クレールの膝(Le genou de Claire)』1970

エリック・ロメール監督作。駄作。何故この監督は、不自然で愚にもつかぬ、青臭い議論を好むのだろう。大嫌いだ。

ロメール『モード家の一夜(Ma nuit chez Maud)』1969

エリック・ロメール(Éric Rohmer)監督作。ジャン=ルイ・トランティニャン主演。私はこの映画監督が苦手、青臭いから。

『田舎司祭の日記(Journal d'un curé de campagne)』1951

ロベール・ブレッソン(Robert Bresson)監督作。早稲田松竹で観賞。云わずとしれたジョルジュ・ベルナトスの同名小説を下敷きにしている。 フランス北部の小さな村に赴任した若い司祭。信仰が形骸化する時代。村人からは受け容れられず、信仰への確信も揺らぎ…

『フレンチ・カンカン(French cancan)』1954

ジャン・ルノワール監督作。フランソワーズ・アルヌール(Françoise Arnoul)主演、美人だ。彼女は今年の夏に亡くなった。フレンチ・カンカンとムーラン・ルージュの誕生を描く華やかな(騒がしい)映画。「良い話」で終わらせない所がルノワール。それに最後の…

『サムライ(Le Samouraï)』1967

ジャン・ピエール・メルヴィル監督作。アラン・ドロンが殺し屋を演じる。これほど言葉少ななフランス映画も珍しい。 三島由紀夫の評価を引用。 「〈サムライ〉は、沈黙と直感と行為とを扱った、非フランス的な作品で、言葉は何ら重要でなく、情感は久々の濡…

『イヴォンヌの香り(Le Parfum d'Yvonne)』1994

パトリス・ルコント(Patrice Leconte)監督作。ルコントの脚フェチ。凡そ無気力で厭世的な男の理想を詰込んだような作品。 有閑階級の男(イポリット・ジラルド,Hippolyte Girardot)が避暑地で女と出逢う。美しい女性を思うようにすることなどできない。 なん…

『ナチス第三の男(The man with the iron heart)』2017

ローラン・ビネ(Laurent Binet)原作の小説『HHhH』を映像化したもので、フランス、イギリス、ベルギーの合作。ナチスの親衛隊ラインハルト・ハイドリヒの伝記であると同時に、チェコのレジスタンスを描いている。全編英語。 説教臭くないので見易い。かなり…

『タクシー(Taxi)』1998

『レオン』リュック・ベッソンが脚本を担当しているカー・アクション映画。 脇役の俳優、どこかでみたことがあると思い調べた。フィリップ・ドゥ・ジャネラン(Philippe du Janerand)という名らしい。『コーラス』2004に脇役として出演しているのを確認した。…

『息子のまなざし(Le Fils)』2002

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(Jean-Pierre and Luc Dardenne)監督作。オリヴィエ・グルメが主演。 職業訓練所で木工を教える男。彼には妻と幼い息子がいたが、殺人事件で息子を喪った後に妻とも別れ、孤独に生きていた。そんなある日、1人の少年が…

『バルタザールどこへ行く(Au Hasard Balthazar)』1966

ロベール・ブレッソン(Robert Bresson)監督作。少女マリーとバルタザール(東方三賢者の名だ)と名付けられたロバの受難を描く。無駄を削ぎ落した禁欲的映像と強い音への拘り(例えば跫音、ガラスが割れる音、リンゴを齧る音)が印象的。 ロバを主役に用いた作品…

『終電車(Le dernier metro)』1980

円熟の極みに達したフランソワ・トリュフォー(François Truffaut)監督。彼が亡くなる4年前の作品。セザール賞を総なめにした。 占領下のパリ。モンマルトル劇場には「南米に逃れた」とされているユダヤの劇場支配人が隠れている。彼はカトリーヌ・ドヌーヴ(C…

『橋の上の娘(La fille sur le pont)』1999

パトリス・ルコント監督作のモノクローム映画。テイストとしてはコメディになるのか。それにしては始まりが深刻過ぎるが。俳優もダニエル・オートゥイユ(Daniel Auteuil)にヴァネッサ・パラディ(Vanessa Paradis)と豪華。総合してアメリカ映画みたい。 橋の…

『ランジェ公爵夫人(Ne touchez pas la hache)』2007

ジャック・リヴェット監督。原作は1834年のバルザックの小説『ランジェ公爵夫人(La Duchesse de Langeais)』。“Ne touchez pas la hache”は「斧に触れてはいけない」という意味。見応えのある映画だ。リヴェットお得意のコスチュームプレイが活きている。

『暮れ逢い(une promesse)』2013

パトリス・ルコント(Patrice Leconte)監督作。脚本はオーストリア=ハンガリーの作家シュテファン・ツヴァイク(Stefan Zweig)の小説 “Reise in die Vergangenheit(過去への旅路)“。 製鉄会社オーナーの秘書となった青年。その手腕で信用を勝ち得た彼が恋した…

『聖少女アンナ(Un poison violent)』2010

カテル・キレヴェレ(Katell Quillévéré)監督作。堅信式を迎える娘とその家族の話。 祖父は病気で床に臥せており死が近い。両親は離婚の危機にある。自身は幼馴染の少年と関係を結んだ。この状況下堅信を受けることに戸惑う彼女を描く。 フランス映画だがイン…

『髪結いの亭主(Le Mari de la coiffeuse)』1990

パトリス・ルコント(Patrice Leconte)監督作。ジャン・ロシュフォール主演。 髪結いの亭主になることを夢みていたアントワーヌ少年。夢を叶えた彼は妻マチルドとの官能に耽る。幸福を喪う恐怖。

『仕立て屋の恋(Monsieur Hire)』1989

パトリス・ルコント(Patrice Leconte)監督作。ミシェル・ブラン(Michel Blanc)が演じる、嫌われ者の仕立て屋の恋を描く。脚本はジョルジュ・シムノンの同名小説Les Fiançailles de Mr Hireに沿って書かれている。救われない話だが僕は好きだ。やはり都合の良…

『抵抗(Un condamné à mort s'est échappé ou le vent souffle où il veut)』1956

ロベール・ブレッソン(Robert Bresson)監督作。“Un condamné à mort s'est échappé ou le vent souffle où il veut”訳すと『死刑囚は逃げた、あるいは風は吹きたい所で吹く』。「あるいは」で2つの主題を掲げるのは、昔のフランス小説などによくみられる例。…

『気狂いピエロ(Pierrot Le Fou)』1965

ジャン=リュック・ゴダール監督作。ゴダール作品にお馴染みのアンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンドが主演を務める。 支離滅裂な内容であるが、それでも観ていられるのは不思議だと思う。作中初め、アメリカのフィルムディレクターなる人物が「映画と…

『男と女 人生最良の日々(Les plus belles années d'une vie)』2019

クロード・ルルーシュ監督作。『男と女』から53年、アヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンが三度あの2人を演じる。 「過去の記憶」と、「ジャン=ルイの夢」と、「現在の話」が交差して時系列が複雑なのは、弱ったジャン=ルイの記憶を表現している…

『勝手にしやがれ(À bout de souffle)』1959

「ボギー…」 ジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)監督作。ヌーヴェル・ヴァーグの訪れを印象付ける、個性的なカメラワークと編集技法を、ゴダールが初めて実践した長編映画。

『スリ(Pickpocket)』1959

ロベール・ブレッソン(Robert Bresson)監督作。 「仕事がなく貧しい自分には法を犯すことが許されている」と述べてスリを行う青年。極めて冷静に、彼の世界をそのままスクリーンに描き上げる。ブレッソンの独創性が光る作品。 マリカ・グリーン(Marika Green…

『男と女Ⅱ(Un homme et une femme, 20 ans déjà)』1986

クロード・ルルーシュ監督作。『男と女(un homme et une femme)から20年後という設定。別々の人生を歩んでいた男と女が再会する。前作の余韻を味わえ、また解説のような役割も果たす作品。 今はプロデューサーを務めるアンヌが、ジャン=ルイとの記憶を映画に…

『ふたりのヌーヴェルヴァーグ(Deux de la Vague)』2010

エマニュエル・ローラン(Emmanuel Laurent)監督のドキュメンタリー。 ヌーヴェルヴァーグを率いた2人の監督、トリュフォーとゴダールが出会い、共闘し、そして訣別するまでの仔細。

『モン・パリ(L'événement le plus important depuis que l'homme a marché sur la Lune)』1973

ジャック・ドゥミ監督作。長い本題は「人類が月面歩いて以来の重大事件」の意。 突然妊娠した男性。社会の好奇の目に晒されながら葛藤する彼とフィアンセを描く。男性の妊娠により、社会の何が変わり、何が変わらないのか。コメディのようで、「男女同権」と…

『ロシュフォールの恋人たち(Les Demoiselles de Rochefort)』1967

ジャック・ドゥミ監督作。理想の恋人を探す男と女の物語。 同監督作『シェルブールの雨傘』で名声を高めたカトリーヌ・ドヌーヴとその姉フランソワーズ・ドルレアックが双子役で主演を務める。なんとジーン・ケリーも出演。そして音楽をミシェル・ルグランが…

『男と女(Un homme et une femme)』1966

フランス映画って洒落てる。 クロード・ルルーシュ(Claude Lelouch)監督作。カイネ・デュ・シネマ誌から冷遇を受け、長いこと日の目をみなかったルルーシュが、その実力、美学を世界に知らしめた作品。1966年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドール。 それぞれ…

『昼顔(Belle de jour)』1967

『アンダルシアの犬』で有名なルイス・ブニュエル(Luis Buñuel)監督作。彼らしく、どこか浮世離れした背徳的仕上がりとなっている。1967年金獅子賞。 カトリーヌ・ドブーヌ(Catherine Deneuve)が、マゾヒスティックな欲求を持つ貞淑な妻を演じる。彼女は夫を…

『天使の入江(La baie des anges)』1963

ジャック・ドゥミ(Jacques Demy)監督の3作目。ジャンヌ・モロー(Jeanne Moreau)演じるギャンブル中毒の女が、堅物の銀行員の男をギャンブルの世界へと引きずり込む話。ファム・ファタールを演じるモローが美しい。 オープニングでは、ミシェル・ルグラン(Mic…