Epistula ad mē

美というものは、芸術と人間の霊魂の問題である

Music

ブラームスの愛(1)

愛を1本の線で表現するのならば、その極には肉と宗教がある。崇高な愛は宗教の形を取り、それは真の意味で利他的なイエスの愛に限りなく近い。 ブラームスといえば、バッハ、ベートーベンと並んでドイツの3大Bと称される大作曲家であり、厳粛なイメージに満…

"La Nuit" 『コーラス(Les Choristes)』2004より

www.youtube.com 『春の凱歌(La Cage aux rossignols)』1945と、そのリメイク映画『コーラス(Les Choristes)』2004の挿入歌 ラモーのオペラ“Hyppolyte et Aricie” (1733)の劇中歌を、作曲家ジョゼフ・ノワイヨン (Joseph Noyon1888-1962)が編曲したものだそ…

典礼聖歌352番『聖霊の続唱』

www.youtube.com みなさんは聖霊に祈りを捧げていますか?本日紹介する『聖霊の続唱(Veni Sancte Spiritus)』は、聖霊降臨(ペンテコステ: Pentecostes)の主日に歌われる聖歌。 聖霊来てください、あなたの光の輝きで私達を照らしてくださいVeni, Sancte Spiri…

Veni, veni Emmanuel

www.youtube.com Veni, veni Emmanuelは中世に歌われたラテン語の聖歌。19世紀イングランド国教会の司祭によって英訳されて以降各地で歌われる様になり、日本の「讃美歌21」にも収録されている。 Veni, veni Emmanuel.来たれ、来たれ、インマヌエルCaptivum …

パーセル『ディドとエアネス(Dido and Aeneas)』イギリスオペラ

www.youtube.com 17世紀イングランドの作曲家ヘンリー・パーセル(Henry Purcell)によるオペラである。フーガが特徴的な序曲は、バロック音楽らしく厳粛な響き。 イギリス人が作曲し、且つ英語で上演されるオペラはパーセル以降、ベンジャミン・ブリテンの時…

愛国行進曲; 斜陽の帝国

www.youtube.com 愛國行進曲は1937年、支那事変の勃発と国家総動員法が制定された年に国威発揚を狙い作られた国民歌。歌詞は公募された。 映像は1943年の映画「音楽大進軍」のフィナーレに当る部分の抜粋。場所は在りし日の帝国劇場だ。ソプラノに瀧田菊江、…

God rest ye merry, gentlemen

www.youtube.com "God rest ye merry, gentlemen"はイングランドで最も古いクリスマスキャロルの1つである。16世紀には、既に人々の間で歌われていたという。 歌詞に用いられる"tidings"の語が何とも面白い。もともと「"tide"=潮」は「"time"=時」と同義の単…

ソビエト民謡 тальяночка(talyanochka)

www.youtube.com タリャーノチカ(тальяночка)はソビエト・ロシアの民謡である。第二次世界大戦時に作られたもので、歌詞には当時の時代背景が反映されている。曲名であるтальяночкаはロシアの楽器тальянка(アコーディオンのようなもの)のdiminutive、すなわ…

讃美歌21 454番「愛する神にのみ」

久しぶりの更新となる。授業が始まると忙しくていけない。 紹介するのはGeorge Neumark(1621-1681)の "Wer nur den lieben Gott läßt walten"。ノイマルクはドイツ中央部ランゲルザルツァの出身、詩人であり讃美歌の作曲家であった。本作品が書かれたのは164…

ミハイル・グリンカ『皇帝に捧げた命-Life for the Tsar-』

皇帝に捧げた命(Жизнь за царя)はミハイル・グリンカ(Михаил Иванович Глинка)が作曲したロシア・オペラである。ロシア情緒が溢れるこの作品は、ロシア国民主義音楽の先駆的存在と云えよう。専制・正教・国民性からなる「官製国民性」の原理と合致する作品で…

「Mercè, dilette amiche」『シチリア島の夕べの祈り』より

オペラ『シチリア島の夕べの祈り』より、ソプラノのアリア「ありがとう、愛する友よ(Mercè, dilette amiche)」。ボレロ調の音楽は劇舞台パレルモのイメージにぴったりだ。太陽輝くティレニア海の情景が目に浮かぶ。イタリアを愛するヴェルディにしか書けない…

ケルビーニ『メデイア』の悲劇性

www.youtube.com ルイージ・ケルビーニ(Luigi Cherubini)が作曲したオペラである。初演は1797年のパリ。古典的な厳粛さを保ちながらも、モーツァルトとは明確に異なる、人間の「感情」を鋭く反映した音楽は、ロマン派時代の幕開けを感じさせる。 序曲がいい…

ブリテン『キャロルの祭典』より"This little babe"

E.B.Britten Op.28-6 "This little babe" 先日扱った"Balulalow"と同じく、ブリテン『キャロルの祭典』の一曲である。 地獄を想像させる暗いアプローチが印象的。その激しいポリリズム的な音楽はイエスとサタンの闘いを描き、我々に対しアンガージュマンを呼…

ブリテン『キャロルの祭典』よりBalulalow-スコットランド低地語の観察

E.B.Britten Op.28-4b "Balulalow"。 ブリテンの『キャロルの祭典(A ceremony for Carols)』の中の一曲である。ソロを担当しているのは、エドワード・バロー(Edward Burrowe)。著名なボーイ・ソプラノである。 歌詞はスコットランドの詩人ウェッダーバーン兄…