Mon Cœur Mis à Nu

「美」といふものは「藝術」と人間の靈魂の問題である

Diary

函館紀行(3)_厳律シトー会 天使の聖母トラピスチヌ修道院

曇り、27度。 本日はトラピスチヌ修道院に行くと決めていたのに、朝を寝過ごした。時間に余裕もないので昼食は取らず、だが元町教会での祈りは忘れずに済ませて、市電に乗込んだ。トラピスチヌ修道院は正式名を「厳律シトー会 天使の聖母トラピスチヌ修道院…

函館紀行(2)_カトリック元町教会(2)

詩人てふ苛立ちやすき種族 雨、涼しい。 聖母被昇天を函館元町教会で祈る。教会への道すがら、街に鐘の音が響いていたが、あれは正教会のものだろうか?彼らもまたNotre Dameの祭日を祝っているのだろうか?しかあれかし。函館は信仰と共にある街だ。衰退の…

函館紀行(1)_カトリック元町教会

暫く函館に逗留している。本日の天気は霧雨、涼しい。京都が37度、東京32度、軽井沢でも28度だと云う事だが、函館は24度。何たる特権の享受。この気温と、一向に顔を出さぬ太陽との所為で、私はイングランドに来ているかのような錯覚を覚え始めた。じめっと…

20230808日記

晴れ、積乱雲をみる。感傷な想いを起こしている私の横を、日に灼けた少年2人が通り過ぎた。彼らは翳りの無い笑顔をしていた。その表情が持つ率直さは、私を苦しめた。

20230706日記

晴れ、暑い。鬼子母神で縁日、祭囃子が微かに聞こえる。ひどい倦怠に襲われているが、書物を読む気力の在ることが幸いである。 私はフランス被れかアングロマニアかのように看做される事が多い。食事、服装、音楽、文学の趣味に西洋偏向が目立つせいだろうが…

20230624日記

曇り、花屋の軒先に青のデルフィニウムが並んでゐる。 久しぶりに近所のフランス料理屋に伺ふとマダムの装ひが夏仕様に変はつてゐた。エキゾチックな花を刺繍した柄物のフレアスカート。 3人の友人と会つて話す。紅一点が2軒目で「二丁目行きたい、絶対行き…

20230617日記

音楽も書物も魂の鎮痛剤のやうなものだが、薬と同じで耐性ができるらしく、今では極限られた範囲のものしか私に効能を示さない。それも極めて短い時間しか効かないし、作用の切れた際生ずるあの切なさ、あの故知らぬ苦しみは、余りに厄介な副作用である。

20230616日記

意識の無い祖父と面会する。管を繋がれた祖父の手は冷たく、斯やうな状態で生を強ひられる祖父を不憫に思ひ乍ら、私は別れの挨拶を済まし、アヴェマリアを心で唱へた。めでたしマリア、我等が死を迎ふる時も祈り給へ。

20230613日記

曇り。入梅して以降、厭な天気が続いてゐる。広い庭のある家に住んでゐた頃は雨も嫌ひではなかつたが、陋巷の湿気は身に堪へる。本も傷む。 祖父は集中治療室に入つてゐるらしい。心肺停止の状態で見つかり、駆けつけた医者に助けられたが、意識は戻らず、脳…

20230612日記

雨、祖父危篤の報を受ける。

20230610夢日記

所在無げな私の前に彼女は現はれた。いはけない天使の笑みを湛へて。彼女は、誕生日には何が嬉しいかと私に訊ねた。君の作るものであれば何でも喜んでと答へると、彼女は笑つた。 腕を貸す仕草をすると彼女はそれに応へた。私たちは並木路を偕に歩いた。久方…

20230513日記

雨。過し易い気温。 カルミーナの革靴を買ひ、手入れとトゥスチールの埋込みを依頼する間、上野の国立西洋美術館まで出掛けた。目的は「ブルターニュ展」。 国内のコレクションが殆どで、大した展示ではなかつたけれど、行かぬよりは行つて良かつた。数々の…

20230505日記

悲しみの紗にかすんだ薄闇にわたしは見るのです わたしたちの淫らな想いのまっ青な剣の傷あとが 縦横十文字うぬぼれのまっ赤な肉に刻まれているのです 「誘惑」モーリス・メーテルランク 女は帰った。漸く。

20230430日記

雨の音で目を覚ます、直霽れた。復活節第4主日、第1朗読の為登壇する。情けなく脚が顫えた。

20230423日記

曇り後霽れる。風が冷たく心地よい。 復活節第三主日。先日仕上がったトラバルドトーニャのベージュスーツに身をつつみミサに与る。ミサ後レモネードを配る(?) 近所のフランス旗亭で食事を済ませ、銀座に向かう。「ブリッヂ」でMと会う。数えてみた所4年ぶり…

20230416日記

主日ミサをサボタージュし、午前を微睡みの裡に過ごす。ランチを逃す。 映画を観に行くか、植物園に行くか迷ったが、天気が良さそうだったので後者を選擇する。躑躅が見頃を迎えている筈だ。 茗荷谷驛で降りると、あなや篠突く雨。こんな事なら映画に行けば…

20230408日記_復活徹夜祭

主の御復活おめでとうございます。 雨、しかし夜には霽れていとさやけき月を見た。 六本木の国立新美術館にて催さるルーヴル展へ出かけた。人混み甚しく、一巡するに3時間を要した。だが幾度も歩みを止めねばならぬ分、よく絵を鑑賞できたような。 フランソ…

20230323日記

雨。プーランクの『カルメル会修道女の対話』と云うオペラを観てみたい。真砂中央図書館にCDはあるらしい。次の主日、御ミサの後にでも訪ねてみる事にする。 桜を観に京都へ行く。近所の神田川沿いの桜が見頃を迎えていたものだから、急いで京に飛んだのだが…

20230320日記

晴れ。知り合い伝いに、上京の本満寺の枝垂れ桜が見頃だと聞く。 先日、祖父母を訪ねた。二人とも齢九拾を疾うに数え、祖母はまだ足腰も丈夫で一日に1~2kmの散歩に出掛けると云うが、祖父は寝たきり、認知能力も相当衰えている。週に3日は看護師、1日はお医…

20230316日記

晴れ、暖かい。近所のソメイヨシノの花が開いていた。桜とはこれ程早い時期に咲くものであったか。 本日はサントリーホールにマーラーの第2番を聴きに出かけた。第4楽章独唱のアルトが上手で聴き惚れた。他は可もなく不可もなくと云った塩梅であった。この頃…

20230203日記

紅茶届く。ルフナ・ルンビニのFBOPとヌワラエリヤ・ナットボーンなる茶園のOP。後者は店主のセレクトだが、なかなかどうして、上等な葉を送ってくれたものだ。ヌワラエリヤ特有の薄い金色の水色。キャンディやディンブラとは一線を画する、通好みの芳醇さ。 …

20230130日記_『ヤコブの書』

『ヤコブの書』はいわゆる公同書簡の最初の位置を占める書簡。著者はアルファイの子、小ヤコブ(ナザレの出身でイエズスの親類?)であると考えられている。「行動」の重要性を説く。 人もし自ら信心ふかき者と思ひて、その舌に轡を著けず、己が心を欺かば、そ…

20230129日記

20230128 友人と食事。銀座一丁目のフランス料理店。狭狭しく、料理は美味しくない。現実を生きる友人らの話を聞き、改めて社会の低劣を知る。敢えてこれと相対するは賢明に非ずとの確信彌増すばかり。人皆ひたぶるに神の栄光のみを瞠め生きるべし。 20230129…

20230114日記

www.youtube.com 今日、この聖マクリナの記念日は、私の誕生日。大切な人々からの祝福を受けると、私の生涯も徒爾ではないのかもしれないと、そんな肯定感を覺える。良い日を過ごせた。 M.N.からのメッセージは嬉しかった。久方ぶりに彼女と話した。彼女と出…

20230103日記_碑文谷教會にて

晴れ。 偶には遠出しようと思い立ち、かねて見物したかったカトリック碑文谷教會まで出かけることにした。いつもの仏料理屋で晝餉を済ませて向かう積であったが生憎の満席だったので、(呪詛しつつ)腹を空かせたままメトロに乗り込む。 東横線内の事故により…

20221231日記

晴れ。ベネディクト16世名誉教皇聖下帰天の報有り。世界はまたひとり英雄を喪った。

20221229日記_離別

晴れ。 ベネディクト16世名誉教皇聖下の命旦夕に迫ると報道有り。聖下はカトリック教会の良心であらせらる。主よ、聖下を暫し現世に留め、聖下をして我々信徒を導かせ給へ。尤も聖下御自らは倏忽に常世へ移ることを願っておいでかもしれぬが。さもあれば聖下…

20221206日記

仕事から帰る。雨でしとどに濡れたスーツにスカーフそして靴の手入れを終え、私はベッドに倒れ込む。ふとスマホを手に取ると、珍しい友人からの通知が一件(そもそも通知自体が珍しいのである)。結婚するという短い報告。どうでもいいと思いながら、月並みの…

20221127日記

あわれみの神 とく來り給へ我等はみな迎へ奉らん 救いの御子 旅行中で御ミサは欠席したが、本日よりアドベント、待降節。悔い改めの時期と雖も、イエズスの受難を想う四旬節と較ぶれば、期待と歓びとに心も騒ぐ。 この時期になると思い出す。昔マリアージュ…

20221112日記

M.N.尊敬すべきあなたが私を大切に思ってくれている。しかもそれを行動で証してくれた。なんという倖せを私に恵んでくれたことでしょう。私は無為な人間ですが、せめて遠くから、あなたの倖せをお祈りさせてください。V.K.M.